大人の腰ほどの高さのロボットが、コンクリートの床面をはうように直進して来た。誰も付き添ったり、リモコンを操作したりしていない。動き方は、家庭用ロボット掃除機「ルンバ」にも似ている。コーンバーの20cmほど手前まで来るとくるりと向きを変え、また真っすぐに進む。人の存在も察知して事前に避ける。

 「T-iROBO Cleaner(ティーアイロボ クリーナー)」は、大成建設が実用化した自律型清掃ロボットだ〔写真1〕。同社技術センター生産技術開発部生産技術開発室情報化チームの加藤崇課長は「二次的作業である清掃を無人化することで、本来の作業に労力を集中させ、生産性向上につなげる」と開発の狙いを話す。

(撮影:大成建設)
〔写真1〕手押し式スイーパーを自動化
建設現場用の手押し式スイーパーをベースロボットとしているのでホッパーは大容量。大量の粉じんやクギなども清掃できる(写真:大成建設)
[画像のクリックで拡大表示]

■ T-iROBO Cleaner

  • 寸法(全長×幅×高さ):610×830×790mm
  • 連続稼働時間:9時間
  • ホッパー容量:35リットル
  • 移動速度:1km/時間
  • バッテリー容量:160Ah
  • 重量:76kg
  • ブラシ幅:400mm

 工場や倉庫向けの業務用ロボット掃除機は既に世に出ており、同社の建設現場でも採用している。しかし、粉じん量の多い躯体工事、ケーブルやクギ、ビスが散乱する内装工事には対応しきれず、異常停止することも多かった。「結局、荒清掃を人力で済ませた後の仕上げにしか使えなかった」(加藤課長)。清掃範囲を区画するコーンバーを認識できず、下を潜り抜けてしまうことも問題だった。

 そこで同社では、そうした課題を克服し、夜間に無人で清掃を終わらせることのできる清掃ロボットの開発に着手した。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は申し込み初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら