作業員がタブレット型端末で作業開始を指示すると、ロボットはすぐに足音のような効果音を鳴らしながら動き始めた。パレットに積まれた石こうボードの手前で止まると、本体中央に装備した「シザースフォーク」を伸び縮みさせ、目の前の石こうボードを台車に載せた。その後、L字形の体を180度回転させ、工事用エレベーターに向かって進む。エレベーター前の段差も楽々と上った〔写真1〕。荷卸しを済ませ、1号の仕事は完了だ。

〔写真1〕 平面の“運び屋”に徹する
清水建設が開発中の水平搬送台車「ロボキャリア」が、工事用エレベーターに資材を搬送する様子。水平搬送することに特化したロボットだ。2台で連携して資材を運ぶ。障害物や段差などを検知するセンサーを搭載した(写真:日経アーキテクチュア)
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■ ROBO-CARRIER

  • 寸法(長さ×幅×高さ):2000×1400×1930mm
  • 重量:1160kg
  • 積載荷重:990kg
  • 走行速度:2.4km/時
  • 通過可能段差:15mm
  • 稼働時間:4時間(50%稼働)
  • 制御システム:SLAMシステム、2眼距離測定システム

 清水建設が開発を進める水平搬送台車「ROBO-CARRIER(ロボ キャリア)」に与えられたこの日の仕事は、1号と2号の2台で連携して1階にある石こうボードを、2階の仮置き場まで届けること。

 1階で1号が仕事を終えた後、2階の2号が工事用エレベーターで上がってきた資材を荷受けする。そのまま休むことなく体を回転させながら現場内をスルスルと進む。目的地までボードを届け終えると、行儀よく所定の位置に戻っていく。

 このロボキャリアはいわば、水平移動に特化した“運び屋”だ。狭い現場でも小回りの利く、軽快な身のこなしが求められる。そのため、車輪には、その場で回転したり前後方向に進んだ体制のまま真横に移動したりできる特殊な機構を備えた。

 走行中は、自己位置はもちろん、段差や障害物を検知するセンサーで、現場の状況を常に把握している。進行方向に人が飛び出してきても、自分で検知して停止する。「資材を含めて約2トン」を目安に、重量にも気を使った。床スラブの損傷防止と高層階作業に対応するためだ。

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