日経アーキテクチュアが4月23日に発刊した書籍「プレモダン建築巡礼」から、いくつかの記事をより抜いてご覧いただきます。締めとなる今回は、「日本の象徴」ともいえる国会議事堂です。あれって何風? 誰の設計?──そう問われて答えられる人はほとんどいないでしょう。論じられることが少ないこの建築、意外に高度な「象徴」なのかもしれません。

所在地=東京都千代田区永田町1-7-1 設計=大蔵省臨時議院建築局 竣工=1936年(昭和11年) 交通=地下鉄永田町駅から徒歩約3分
[画像のクリックで拡大表示]

 毎日のようにテレビのニュースで目にする国会議事堂。周りをうろうろしたことはあるが、中へ入るのは初めてだ。見学は本会議が行われていない時の平日であれば誰でも可能。参議院と衆議院でそれぞれ受け付けている。今回は参議院を見て回った。

 見学はまず地下の参観ロビーに集合し、そこから参議院本会議場、御休所前、中央広間と内部を巡り、外に出て前庭から建物を眺めるというコースになっている。

 まずは本会議場へ。広さは743m2というから、東京文化会館の小ホールと同じくらいだろうか。これ以上大きいと、人の顔も互いに分からなくなるというギリギリの広さといえる。この中に、460席(衆議院は480席)が半円形に広がっている。そのうち実際に使われているのは242席(同475席)。国政選挙とは要するに、この本会議場の空間配分を巡る争いなのだ。

 続いて、御休所前に回る。御休所はかつて御便殿と呼ばれていたもので、天皇陛下の部屋だ。中央玄関を入って、そのまま真っすぐ階段を上がったところに位置する。工芸技術の粋を集めた内装は、ガラス越しにのぞくことができる。その手前のボールト天井が架かる広間も、十分に見応えがある。

 そして一番の見どころとなるのが中央広間だ。参議院と衆議院の間に挟まれた中央塔の内部に当たるところで、天井の高さは32m。高すぎてハイサイドライトからの光も床まで十分に届かない。天井を四方から支えているのは分厚いアーチ。これほど重厚な空間は、日本では滅多にお目にかかれない。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は申し込み初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら