4輪車事業への参入目標を掲げて5年――。産みの苦しみを味わうのが2輪車大手のヤマハ発動機である。2020年までに量産する目標を掲げていたが、2017年末に撤回した。「(参入は)2021年以降。開発目標時期を示すのはやめた」(車両開発を統括するヤマハ発動機取締役の島本誠氏)(後編:ヤマハ発、2輪技術で4輪参入)。

 誤算といえるのが、4輪参入の切り札とみていた新構造の車体開発に苦しめられることである。いまだに課題が山積みで、研究と量産の間に横たわる“死の谷”から抜け出せない。

2017年に披露した4輪車コンセプト「クロスハブ」のスケッチ(出所:ヤマハ発動機)

 開発担当者は「まだ研究段階」(モビリティ技術本部NLV推進部部長の楠元伸一氏)と語り、5年経ったにもかかわらず量産のメドが見えていないことを認める。

 4輪参入を断念する選択すらあり得る状況だ。投資家側には「主力の2輪車事業ではインド市場などにやるべきことが山積みだ。競争が激しい4輪参入の夢を追いかける状況ではない」(国内証券会社の自動車アナリスト)と厳しい声がある。

 それでもヤマハ発動機は、4輪参入をあきらめない決断を下した。2輪車事業の先行きを楽観視しないからだ。

ヤマハ発動機取締役の島本誠氏

 「既存の2輪車事業は、いつまでも広がらない。先進国はずっと横ばいだ。新興国の潜在力はあるが、頼りすぎるわけにいかない。新しい成長領域が欠かせない」(島本氏)と、新車体の開発に懸ける。

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