IoT住宅やIoT家電は一体何ができるのか――IoT住宅やIoT家電を提供する側を取材していて、度々耳にするのが「試してみないと分からない」という言葉だ。情報を聞いて便利だと思えた製品でも使ってみると意外な点が不便だったり、海外では人気の製品も日本の住宅事情には合わなかったりする場合もある。

 ただし、“ちょっと試してみよう”というのもなかなか難しい。もちろん、既存住宅にIoT家電を導入することは可能だ。個々の製品はAV機器やパソコンなどに比べればずっと安価だが、多様な機能を実現するには多くの機器が必要となり、全体としてのコストはそれほど安くはならない。しかも、現状では各機器の設定にはそれなりに手間がかかるので時間をかける必要がある。

 こうした“ちょっと試したい”需要に応えているのが、「最先端のIoTデバイスを集結させたスマートホステル」をうたう簡易宿泊施設の「&AND HOSTEL」である。アプリ開発などを手掛けるベンチャー企業and factoryが立ち上げたホステルブランドで、2016年に1号店を福岡市にオープンしたのを皮切りに、既に浅草北、上野、秋葉原、神田へと拡大し、2018年7月には浅草駅付近に新店舗オープンを予定している。

「&AND HOSTEL AKIHABARA」。最上階の4階がIoTルーム
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 IoTホステルでは一体何ができるのか、「&AND HOSTEL AKIHABARA」を見学させてもらった。同店舗でIoT仕様になっているのは4階のダブル6部屋である。4階に上がると、廊下を「フィリップス」ブランド(オランダ・シグニファイ、2018年5月16日にPhilips LightingからSignifyに社名を変更)のLED照明「Hue」が照らしている。実は降雨確率を4段階に反映するもので、雨が降りそうだと青色になるという。こうした機器連携にはヤフーの提供するIoTプラットフォーム「my Things」を利用している。

4階廊下の照明。降水確率が高いと青色になるという
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 宿泊者には、一般のホテルなどで渡されるルームキーはなくスマートフォン(スマホ)が渡される。各個室の鍵はこのスマホで開錠する、いわゆるスマートロックだ。

フロントで渡されるスマホで解錠する
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 9m2のコンパクトな室内には、ベッドや鏡といった家具のほかに、照明(フィリップス Hue)、テレビ、エアコン、空気清浄機、アロマディフューザー、電動カーテンレール(ナビオ)、窓の開閉センサーや環境センサー(大崎電気工業「ホームウォッチ」)、そして米グーグル(Google)のAIスピーカー「Google Home」などのIoT家電が設置されている。フロントで渡されたスマホのほか、AIスピーカーを使って音声で操作することができる。基本的には大崎電気工業のホームウォッチシリーズの通信機器(「ルームマスター」)、中継装置(「PLCアダプター」、ルームマスターとWi-Fiルーターを中継)を中心に連携するIoT家電を組み合わせる形だ。

カーテンを閉め、照明操作を試す
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