仕事は会社でするもの──。会社勤めの人にとって当たり前だったこの考え方が、今後は非常識になるかもしれない。社会人がネットを駆使して自宅を「職場」に変える動きが加速しているからだ。自宅と会社はネットでつながりつつあるという意味では、IoT(インターネット・オブ・シングズ)住宅の最たる例は既に拡大している「自宅の職場化」なのかもしれない。

 背景にあるのは、政府主導の働き方改革が企業に浸透し、テレワークが普及してきたことだ。テレワークとはノートパソコンやタブレット、スマートフォンとインターネットを組み合わせて、それまでは社内でしかできなかったオフィスワークを会社以外の場所でもできるようにする働き方を指す。

 政府はテレワークの推進に積極的。2017年7月には働き方改革の一環としてテレワークを普及させるため、全国一斉に「テレワーク・デイ」を実施した。企業や自治体など922社が参加し、6万3000人がテレワークを体験。「仕事に集中できる」と好評だったため、政府は2018年7月にも実施を決定している。しかも試行日を前回の1日から5日に拡大した「テレワーク・デイズ」とし、大々的なキャンペーンを展開する計画だ。

会社と同じように働ける環境がIoT住宅の売り物に

 テレワークには外出先でノートパソコンなどを使って仕事をするモバイルワークや、会社から離れた場所に用意された「サテライトオフィス」で仕事をする働き方など、複数の形態がある。そんななか、注目度が最も高いのは在宅勤務である。在宅勤務のメリットは家事や育児、学校行事、病気療養といったプライベートな時間と仕事を両立しやすいことだ。

 短時間の用事のためにわざわざ休暇を取らなくてもよく、自宅にあるパソコンで仕事の書類を作成したり、メールやビジネスチャットで上司や同僚とやり取りしたりすることが普通にできるようになったのは大きな進歩だ。しかも自宅では「オフィスにいるときと同じか、それ以上に仕事に集中できる人が多い」と、日本テレワーク協会の今泉千明主席研究員は話す。

日本テレワーク協会の今泉千明主席研究員
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