経済産業省が進める「スマートホームに関するデータ活用環境整備推進事業」の実証実験に参加するなど、IoT(モノのインターネット)住宅の研究・開発に積極的に取り組む大和ハウス工業。これまでも、2008年にTOTOと共同で体重や尿糖値などが測定可能な便器を開発したり、10年にはリチウムイオン蓄電池を住宅展示場のモデルハウスにいち早く搭載したりと、常に先端を走ってきた。

 その勢いは衰えない。これまでの知見を生かし、AIスピーカーを活用した「Daiwa Connect(ダイワコネクト)」のプロジェクトを17年11月に立ち上げて実証実験を開始するなど、他社に先駆けて具体的なプロジェクトを進めている〔写真1〕

〔写真1〕大和ハウス工業は、2018年1月以降、米グーグル(Google)のAIスピーカー「Google Home」を活用したIoT住宅を提案(出所:大和ハウス工業)
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 そんな、大和ハウス工業のIoT住宅開発で中核を担う、建築系技術研究室建築ソリューショングループ(取材時は総合技術研究所工業化建築技術センター)の吉田博之主任研究員は、昨今のIoT住宅市場を狙った各社の動向に対して、「このままでは、かつてのブームの二の舞になってしまう」と警鐘を鳴らす。

10年ごとにブームの波

 過去を振り返ると住宅のIT化に関する取り組みは「およそ10年周期でブームが訪れている」と吉田主任研究員は指摘する。技術革新が起こり、それがきっかけとなってブームが生じるといったサイクルだ〔図1〕

〔図1〕「スマートハウス」ブームは10年周期で訪れる(出所:大和ハウス工業)
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 日本のスマートハウスの原点は、1989年、当時の東京大学の坂村健教授(現・東洋大学教授)が開発したTRON(トロン)電脳住宅といっても過言ではない。90年にホームオートメーション(HA)がブームになった頃だ。

 それから10年後、インターネットが爆発的に普及。この技術革新をきっかけに、IT住宅が再びブームとなった。大和ハウス工業が住宅のIT化に力を注ぎ始めたのはこの頃だ。さらに10年がたち、「Web2.0」をきっかけにスマートハウスが3度目のブームとして登場した。

 そして今、IoTとAIといった技術革新がきっかけとなり第4のブームが起ころうとしている。住宅に後付けするIoT機器が登場するなど、徐々にIoT技術が浸透して、20年には第4次ブームのピークが到来しそうだ。

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