状態平均化法を用いてスイッチング電源の伝達関数を求める手順の後半を解説する。前回は時間領域の状態方程式を立てて動特性を求め、ラプラス変換によって周波数領域に変換するまでを解説した。今回はその数式を展開し、3つの変数それぞれの変動に対してインダクター電流および出力電圧がどのように応答するかの伝達関数を求めるまでを解説していく。

 前回は降圧型コンバーターの定常状態において、入力電圧Vinと時比率D、負荷抵抗Routに微小変動を与えた場合の状態変数Xや出力電圧Voutの振る舞い(動特性)を、ラプラス変換によって周波数領域で表すまでを解説した。前回の最後に得たのが次式である。ここでsはラプラス変換の媒介変数である。

 ここからは数式を展開してこの2式を解いていく。計算のゴールは、インダクター電流ILと出力電圧Voutの応答を、3つの変数ΔRout、ΔVin、ΔDからの伝達関数として求めることである。

[手順5]伝達関数を算出する

まず、(28)式にある逆行列(sIA)−1を求めよう。

ここで

と置くと、(30)式を基に

と書ける。この(31)式のΔ(s)は、次式で表される。

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