障害物感知装置が付いている電動シャッターに、電動車椅子に乗った高齢者が挟まれて重傷を負う。こんな衝撃的な事故が2016年9月に発生した。事故を重く見た消費者庁は、電動シャッターに関する消費者安全調査委員会を17年7月に設置。過去の事故を含め、詳しく調査中だ。

 事故は、80歳代の男性が自宅の車庫から道路に出ようとしている最中に発生した〔図1〕。男性は道路を通る車が途切れるのを待ちながら、リモコンでシャッターを閉じる操作を実施。降りてきたシャッターにぶつかり、その衝撃でバランスを崩して転倒した。

〔図1〕シャッターの下にいる人をセンサーが感知しない
2016年9月に発生した事故の状況。電動車椅子に乗っていた80歳代の男性が、自宅の車庫から道路に出ようと車庫の下で一時停止していたところ、降下してきたシャッターにぶつかった。その衝撃でバランスを崩し転倒。腰部を骨折する重傷を負った。光電センサーが設置されていたが、車椅子が真下に止まっていることを感知できず、自動停止機能が作動しなかった(資料:消費者庁の資料を基に日経ホームビルダーが作成)
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 この電動シャッターには人や物が光線を横切るとシャッターが自動的に止まる、光電センサーという障害物感知装置が付いていた。ところが被害者と車椅子が光線の触れない位置に停止しため、作動しなかった。

 使い方にも誤りがあった。シャッターの下をくぐり抜けようとしながら、閉じる操作を行っていたのだ。日本シヤッター・ドア協会の田中秀樹事務局長は、「同様の動作で自動車がシャッターに挟まれる事故がしばしば生じている。取扱説明書でも注意を促している」と話す。

 消費者庁によると、電動シャッターに挟まれて死傷する事故は、1998年以降に27件報告されている。そのうち14件は死亡事故だ。電動シャッターが最も多く設置されている車庫での件数は公表されていないものの、少なくとも2件の死亡事故は発生している〔図2〕。

〔図2〕車庫用電動シャッターで2件の死亡事故
過去の報道や事故情報データバンク、日本シヤッター・ドア協会の資料を基に、車庫に設置された電動シャッターでの事故などの例をピックアップした。シャッターに挟まれて死傷する事故と急降下がもたらす事故が多い(資料:日経ホームビルダー)
発生時期 使用年数 事故内容
2009年4月に発生 不明 愛知県刈谷市の住宅の車庫で、自動停止装置の付いていない電動シャッターに居住者が腹部を挟まれて死亡
2010年3月に登録 不明 使用者が電動シャッターを下ろそうとしたら、シャッターが足のすぐ横に落下して危険だった
2010年10月に発生 不明 北海道釧路市の運送会社の車庫で、電動シャッターに従業員が挟まれて死亡
2011年10月に発生 約13年 開閉スイッチを押してシャッターが1m50cm上がったところで、突然落下した。急降下停止装置のない製品で、巻き取りシャフトが異常振動した。スラット端部とガイドレールのこすれによるシャッターの不均一な巻き取りなどが原因だと考えられたものの、事故品が廃棄されており原因は特定できなかった
2013年12月に登録 7年 車庫の重量電動シャッターの電源ボタンを押したら、バラバラに落ちてきた
2016年6月に発生 不明 孫が操作して車庫のシャッターに挟まれかけた。そばにいた家族がリモコンで上げたのでけがはなかったが、挟まれないような機能がなく不満
不明 不明 運転手が車の中からリモコンを操作して車庫のシャッターを開けた後、車をバックさせて車庫に駐車しようとしたところでシャッターが降りてきた。車の屋根に接触してアンテナが折れた。かばんの中に入れていたリモコンの「閉」ボタンが誤って押された

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