ステンレス板の表面に変わった点は見当たらない。だが、板を剥がすと裏面は変色しており、その後ろにあった石こうボードがぼろぼろに崩れ、木ずり壁が燃え抜けた――。これは、築7年を経過した地域コミュニティセンターの調理室で、2013年11月に火災が発生した時の状況だ〔写真1〕。調理室に居た利用者が煙に気づいて消防に通報。壁が燃えていることが判明した。

〔写真1〕仕上げ材は焼けず壁内のみ焼損
熊本市内で火災が発生した木造平屋建ての地域コミュニティセンターの外観。焼損痕が調理室の外壁の上方へ向かって、扇状に広がっていた(写真:熊本市消防局)
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調理室の室内側。火力が1万6300kcal/hの業務用ガステーブルを設置していた。火災が発生したにもかかわらず、内装材や設置物には焼損が認められなかった(写真:熊本市消防局)
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調理室の壁の焼損状態。壁内の木ずり壁や間柱が炭化して燃え抜けていた(写真:熊本市消防局)
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 火災の原因は「伝導過熱」。こんろや鍋から放射した熱が壁の木材や石こうボードなどに蓄えられ、徐々にそれらを炭化させて通常よりも低い温度で木材が発火する現象だ。

 ステンレス板の裏には、石こうボードが2枚重ねで張られていた〔図1〕。建築基準法の不燃材料に相当する仕様だ。石こうボードを配したにもかかわらず、7年で発火に至るほど炭化が進んでしまった。

〔図1〕こんろからの離隔は8.5cm
(資料:熊本市消防局の資料を基に日経ホームビルダーが作成)
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