ITエンジニアが書く報告書や提案書は、事実をしっかりとまとめるだけでは十分ではありません。それをどう解釈して、何をすべきかという結論までが、論理的に文章の中にしっかりと流れていることが求められます。

 論理的に文章の流れを整えるというと難しそうに聞こえるかもしれませんが、「空・雨・傘」というフレームワークを使うと、論理の流れが整います。このフレームワークは、コンサルティング会社では新人が徹底的にたたき込まれる下の図のような論理思考の枠組みです。

文章の流れをチェックするための「空・雨・傘」の論理構造
[画像のクリックで拡大表示]

 空→雨→傘の順に論理が流れます。空は、確認した結果や確認できた「事実」を示します。雨は、事実を基に導き出した「解釈」、傘は解釈を基にとるべきだと結論付けた行動を示します。つまり、空の状況・現状を確認する(事実)→確認の結果、今後雨が降るという被害が予想される(解釈)→対策として雨をしのぐための傘を持参する(結論)、という論理の流れになります。

 簡単そうに思えますが、実際の文章ではどれかが足りず、相手が理解しにくくなっていることが少なくありません。いくつか例を挙げます。

(1)空(事実)だけ

 例えば、「売り上げが数年で5%上昇した」とだけ書いてあるのは、空(事実)しか言及していません。これだけでは5%の上昇が良いのか悪いのか、何をすべきかが分かりません。その空(事実)を見て、さらに上がりそうなのか、横ばいになりそうなのかといった雨(解釈)があり、最後には「よって生産量を制限すべき」「積極的投資をすべき」などの傘(結論)までそろって、初めて文章として意味のあるものになってくるわけです。

 事実は客観的であり説得力があるだろうと思ってしまいますが、伝える相手に事実をどう解釈したのかを示さないことには、相手はどうしてそう言えるのか疑問に感じてしまいます。

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)登録で6月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら