ものづくり、建設、ITの各業界において世間を大きく騒がせた大事故やトラブルを受け、企業の取り組みや制度・ルールはいかに変わったのか。過去の事故・トラブルは今、どのような形で生かされているのか。世間を騒がせた重大な事故・トラブルの教訓とは――。専門記者が徹底的に掘り下げるとともに未来を展望する。
 第4回はトヨタの大量リコールやマンション杭工事のデータ偽装問題などを基に、企業が製品リスクにどう向き合うべきかを考える。

参加者 浅野祐一=日経 xTECH 建設 編集長/日経ホームビルダー編集長
吉田 勝=日経 xTECH副編集長/日経ものづくり副編集長
中山 力=日経 xTECH副編集長/日経ものづくり副編集長
井上英明=日経 xTECH副編集長/日経コンピュータ副編集長
司会進行 大石基之=日経 xTECH編集長
戸川尚樹=日経 xTECH IT 編集長

――これまでの話を聞いていると企業にゆとりがなくなっているというのが、品質偽装の要因として大きいように思います。カネを無尽蔵に掛けられないのは資本主義の鉄則ですが、偽装の問題に人とカネの余裕のなさが深く関係していそうです。

浅野そのほか、時間の問題もあります。短い工期で納品しろとか、完成させろという要求です。

――なるほど。今さまざまな業界でサービス対価の値上げ要求が強まっていますよね。人とコストと時間を見直していく機運にしないと、もう限界に来ているような気がします。

中山やはり適正な価格で提供することが必要ですよ。

吉田品質やリスクと適正な価格の捉え方については、消費者も意識を変えていく必要があると思います。安いものは壊れやすいし危ないということを分かって買うということです。すごく安く買っておいて、壊れたから文句を言うというのは疑問です。特に安全という視点で見ると、欧州では消費者も製品のリスクとそれが果たす機能のメリットをてんびんにかけて判断する風土があると思います。

(写真:加藤 康)

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