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 「ICT(情報通信技術)を活用して生産性を上げるだけではなく、安全性も同時に高めるシステムを、日本は積極的に採用している。欧州でも、大いに参考になるところだ」――。

 こう語るのは、National Research Centre for the Working Environment(デンマーク国立労働環境研究センター)の安全研究部門でシニアリサーチャーを務めるPete Kines(ピート・カインズ)氏。同氏は、一般社団法人セーフティグローバル推進機構(IGSAP:イグサップ)の招きで、2018年2月に来日。IGSAPが主催する「安全経営フォーラム」に参加するとともに、日本で先進的な安全対策を取り入れている現場を視察した。冒頭の言葉は、そのときのものだ。

左がデンマークから来日したピート・カインズ氏(写真:日経BP社)
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 IGSAPは、IoT(モノのインターネット)やICTなどを活用し、人とモノ、環境が協調して安全を構築する新しい安全のコンセプト「Safety 2.0」を提唱し、普及活動を展開している。2018年2月と3月には欧州から安全衛生の専門家を招き、経営者層や管理者層を対象にSafety 2.0など新しい安全の方向性について広く議論する「安全経営フォーラム」を実施。その一環として、安全構築に先進的かつ積極的に取り組む日本の現場に、欧州の専門家を案内した。

 視察の狙いは、大きく2つある。1つは、日本が提唱するSafety 2.0のコンセプトに近い現場やシステムなどを紹介することで、Safety 2.0に対する理解を深めてもらうため。もう1つは、グローバル規模で新しい安全を構築していくために不可欠な国際標準の対象を連携して洗い出していくためだ。

 こうした観点からIGSAPが選んだ視察コースは、中日本高速道路が発注者となって建設が進む神奈川県秦野市内の新東名高速道路の2つの現場と、千葉県船橋市内のアスファルト合材工場の2カ所。後者は、道路舗装を手掛けるNIPPOの子会社である京葉アスコンが運営している。冒頭のカインズ氏は新東名高速道路の2つの現場を、3月に来日したフィンランドの安全衛生の専門家2人は新東名高速道路の2つの現場とアスファルト合材工場の両方を見学した。