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 福島第1原発の2号機原子炉建屋に、寄り添うように立つ2本脚の「西側構台」。東京電力から工事を受注した鹿島・竹中工務店・清水建設・大成建設・戸田建設JV(共同企業体)は、被曝を減らすために手作業と機械を組み合わせて施工に挑んだ。廃炉の現場を約7年間にわたってリポートした書籍「すごい廃炉 福島第1原発・工事秘録<2011~17年>」の筆者が、その模様を解説する。

 鹿島JVが最初に手を付けたのは、2号機原子炉建屋の西側と南側の作業ヤード整備。2015年3月に着手した。対象面積は合計2000m2超だ。

 西側構台の設置はもちろん、原子炉建屋に燃料取り出し用のカバー(またはコンテナ)を設置するには、大型の重機を建屋の周囲に配置しなければならない。そのために、邪魔な建屋やタンクなどを解体し、砂利や鉄板などを敷いて路盤を補強する必要があった。

西側構台の概要(資料:東京電力HD)
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西側と南側のヤード(資料:東京電力HD)
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 作業ヤードの整備を進めるうえで厄介だったのが、事故後に汚染水対策のために設置したサブドレン用の配管への対応だ。サブドレンとは原子炉建屋の近傍に設けた井戸から揚水し、建屋内に流入する地下水を減らす対策。地上を縦横無尽に走る配管は、移設が困難だった。そこで、周囲をH形鋼で防護したうえで砂利を盛って、アスファルト舗装を施し、最後に鉄板を敷き詰めた。

 「ヤードの整備は、建屋上部の解体時に使用する600t吊りクローラークレーンを地上に配置するための補強とともに、放射線の遮蔽による作業環境の改善を兼ねている」(鹿島JVの井上隆司所長)。砂利を厚く盛ると、作業ヤードの放射線量が下がるという副次的な効果があるのだ。

2号機原子炉建屋の西側で、作業の邪魔になる建屋などを解体する様子(写真:鹿島)
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解体した建物などの位置(資料:東京電力HD)
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