積水ハウスだけでなく、他の大手住宅会社もヘアクラック対策に本腰を入れている。その多くが、弾性系塗料を基礎の表面に塗布する方法を採用する〔図1〕。

〔図1〕続々とヘアクラック対策に乗り出す大手住宅会社
編集部では、2018年1月に大手住宅会社のヘアクラック対策を調査した。調査対象は、年間売上高が連結ベースで1000億円を超える注文住宅主体の住宅会社(旭化成ホームズ、一条工務店、住友林業、積水化学工業、積水ハウス、大和ハウス工業、タマホーム、トヨタホーム、パナホーム、三井ホーム、ミサワホーム)。回答があった企業の対策を下の表にまとめた(出所:日経ホームビルダー)
会社名 ひび割れ対策の名称 ひび割れ対策の内容・目的 導入時期
住友林業
  • コンクリートの品質
  • 鉄筋プレ加工
  • 湿潤養生
  • 樹脂混練モルタル
  • 弾性塗料
指定供給先を定めて気温を考慮したコンクリートの調合を行う
かぶり厚などが適正になるよう鉄筋をあらかじめ工場で加工
コンクリートは初期養生が重要なので湿潤養生を行う
コンクリート硬化後は、屋外側に樹脂混練モルタルを塗り、弾性塗料で仕上げる
2007年6月
積水化学工業 基礎弾性塗装の採用
(立ち上がり外周部)
セメントとアクリル樹脂を混合した基礎弾性塗装仕様
主目的は以下の通り
  • 耐久性向上(ヘアクラック抑制、中性化抑制)
  • 美観の向上(へアクラック追従、凹凸付加、色選択)
2002年12月
基礎断熱仕様の採用
(立ち上がり内周部)
防水性に優れたポリスチレンフォームで基礎内周全面を覆う仕様。
コンクリートからの急激な水分蒸発を防止できるため、ヘアクラックの抑制効果などを期待できる
2002年7月
積水ハウス 高耐久化シート工法 基礎の屋内側にポリオレフィンを基材とする養生シートを貼り付け、屋外側にはアクリル樹脂系の弾性塗料を塗布する。専用器具を用いて貼り付けた養生シートは、そのまま存置する。乾燥収縮率は、何の対策も講じないコンクリートに比べて大幅に低下した 2015年8月
タマホーム 基礎化粧保護材の施工 建物の最終仕上げ段階で、基礎の化粧を兼ねた保護材の施工を行う
  1. (1) 水抜き穴やジャンカ、ピンホールなどがあれば、樹脂モルタル(速乾)で部分補修を行う
  2. (2) 樹脂モルタル(遅乾)で下地調整を行い平滑に整える
  3. (3) 弾性ポリマーセメントモルタルで、表面の保護と仕上げテクスチャーを表現する
  4. (4) 弾性アクリルシリコン塗料で表面の着色仕上げを行い、雨水浸透と中性化を抑制する
2016年10月
(13年10月に対策を導入、16年10月に現施工内容に改良)

 弾性系塗料は、微細なひび割れに追従し、水分の浸入などから表面を保護する機能を持つ。現在、コンクリート基礎向けの弾性系塗料としては、秩父コンクリート工業(東京都台東区)の「チチブファンデーションコート」や竹屋化学研究所(大阪府東大阪市)の「ハウスシューズ」などが販売されている〔図2〕。

〔図2〕基礎用の弾性塗料も複数存在
壁用の弾性系塗料は広く販売されているが、基礎向けの弾性塗料はまだ少ない。現在広く利用されているのが下記の2製品。どちらも不陸調整をしたうえで、下塗り、上塗りの2工程で塗布する(出所:日経ホームビルダー)
製品名 メーカー名 組成 塗り工程 設計材料価格
(税抜き)
チチブファンデーションコート 秩父コンクリート工業 弾性ポリマーセメントモルタル+弾性アクリルエマルション塗料 不陸調整をしたうえで、下塗りと上塗りの2回 施工面積20m2当たり、下塗りが1万7000円、上塗りが1万円
ハウスシューズ 竹屋化学研究所 弾性ポリマーセメントモルタル+水系弾性アクリルシリコン塗料 不陸調整をしたうえで、下塗りと上塗りの2回 施工面積約18m2当たり、上塗りと下塗りを合わせて、2万4000円~3万6000円

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)登録で5月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら