「基礎にヘアクラックが生じる理由はよく分かった。でも、あなたは住宅の専門家だ。なぜ、ヘアクラックを解消する努力をしないのか」
積水ハウス基礎・地盤技術グループの深井公部長は、8年前、ある建て主から投げ掛けられたひと言が今も印象に残っている。ヘアクラックの発生を問題視する建て主に対し、それが有害なひび割れではない旨を丁寧に説明したつもりだった。だが、建て主は最後まで納得しなかった。
深井部長によると、ヘアクラックを気にする建て主は、全体でみればわずかだという。それでも、気にする人はそれを重大な瑕疵と考える傾向があり、理解してもらうまでに時間がかかる。「説明責任を果たすだけではなかなか解決しない。何か有効な対策が必要だ」。それ以来、深井部長は抜本的な解決策を考え始めた。
積水ハウスがヘアクラック対策の切り札として開発したのが「基礎高耐久化シート工法」だ。特許も取得済みで、2015年8月から同社の標準工法として全国展開している〔写真1〕。
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