カメラ映像から顔の特徴を検出し本人を認証する仕組み。研究所など高い機密性が求められる場所を中心に使われてきたが、最近ではスマートフォンのロック解除やマンションの解錠など、身近に使われる例が増えている。

 指紋や虹彩、静脈、手形などを使って本人を確認する「生体認証」技術を使ったサービスが身の回りで増えている。生体認証は身体的特徴を利用するので、鍵やパスワードのようになくしたり忘れたりすることがない。顔認証もこうした生体認証の一つで、スマートフォンのロック画面解除でおなじみだ。

 多くの生体認証方式では、利用者が専用のセンサーに身体的特徴を積極的に提供する必要があるが、顔認証では汎用のカメラで撮影した顔画像を利用でき、利用者が特別な認証動作をする必要がないといった特徴を持っている。

 法務省入国管理局は、顔認証を使って日本人の帰国手続きを行うゲートを羽田空港に導入した。入国審査官を外国人の入国審査に振り向け、審査の厳格さを維持しながら円滑化することを目指している。IC旅券のICチップ内の顔の画像と、顔認証ゲートのカメラで撮影した顔の画像を照合して本人確認を行うため、事前の利用登録は不要だ。また日本航空も今後、空港のチェックインカウンターや保安検査場、搭乗口に顔認証システムを導入する方針を発表した。

 顔認証で入退館時の解錠をするマンションも登場した。穴吹ハウジングサービスはNECソリューションイノベータと共同開発したマンション向けシステム「ハピット」を使い、顔認証で入退館時の解錠を行う。また認証した居住者の特性に合わせて、マンションや行政の情報、近隣事業者の広告などをデジタルサイネージに表示する機能もある。同社はこのシステムを分譲マンションや賃貸マンションに順次導入していく予定だ。

法務省が2017年10月に導入した「顔認証ゲート」。日本人が帰国手続きをする際、IC旅券のICチップ内の顔画像とゲートで撮影した本人の顔画像を照合して本人であることを確認する
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出典:日経パソコン 2018年4月23日号 p.13
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