買い物の際にもらうレシートを電子化したもの。複数の店舗で発行された電子レシートをまとめて管理し、家計簿ソフトなどと連携することで、個人レベルでもお金の流れがより分かりやすくなる。

 経済産業省は2018年2月、電子レシートの標準仕様を検証する実験を東京都町田市で行った。店舗は利用者のスマートフォンアプリに表示されたバーコードをレジで読み取って、電子レシートを発行する。発行された電子レシートはデータセンターに保存され、利用者は自分のスマートフォンアプリを使って、保存された電子レシートを管理、活用できる。

 これまで店舗側はポイント会員などの仕組みを使って利用者の購買履歴を収集・分析してきた。しかし、こうした購買履歴データはほとんどが店舗や事業者ごとに分かれていて、特定の個人が異なる店舗でどういう買い物をしているかまでは分からないことが多い。

 今回経済産業省が行った実験では、コンビニエンスストアやドラッグストア、スーパー、雑貨店、飲食店などさまざまな業態の小売店27店が共通の仕様で電子レシートを発行した。共通仕様の電子レシートが広く使われると、特定の個人が複数の店舗にわたってどういう買い物をしているかが正確に分かるデータが得られる。こうした購買データを活用することで、店舗はより正確で効果の高いマーケティングを実施できるようになる。

 一方で事業者側のメリットだけでは本格的な普及は期待できない。今回の実験では、蓄積した購買履歴を標準APIを使ってほかのサービスとも連携して活用できるようにすることで、利用者側にもメリットを提供している。例えば、家計簿アプリと連携して支出内容を分析、グラフ化して見やすくする、健康管理アプリと連携して食品の購入データから不足がちな栄養素を調べる――といった具合だ。

 なお、購買履歴は個人の嗜好が反映されるため、電子レシートの活用に当たって個人情報の保護にも十分配慮する必要がある。今回の実験では、データセンターに保存する情報にひも付けてどこまでの個人データを保存するか、また保存したデータをどのサービスと連携するかは、利用者が決められるようになっている。

電子レシートの利用イメージ。レシートの内容をスマホのアプリに簡単に取り込める。取り込んだデータは標準APIを使って対応の家計簿ソフトなどに取り込み、管理することもできる。画面は、東芝テックのアプリ
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出典:日経パソコン 2018年3月26日号 p.13
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