日経エレクトロニクス2013年9月16日号のpp.96-102「熱設計・熱対策が不可欠になった訳」を分割転載した前編です。

機器開発を進める上で必要不可欠な熱設計。本連載では、熱設計の基礎である伝熱や熱対策、そして基本的な熱設計手法を学ぶ。今回は、熱設計において温度を予測するときなどに必要となる、伝熱の基本的な知識を解説する。

 製品の高密度化に従い、熱が機能障害や安全性低下などの要因となるケースが増加している。熱が製品に及ぼす問題点は、大きく三つある(図1)。

図1 なぜ今、熱設計が必要になったのか
「熱」は寿命を確保する「当たり前品質」の最たるものであった。しかし、高熱密度化が進んだ昨今、熱が機能や安全性を阻害する要因となるケースが増加してきた。
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 まず、製品寿命が短くなってしまうといった「信頼性」に関わる問題である。従来クローズアップされていた問題であり、これまで熱設計は寿命を延ばすために行っていたといえる。

 しかし最近は、高温化によって機能に影響するような問題が目立つようになってきた。例えば、熱暴走あるいはフリーズを起こす、LEDの輝度が落ちるといったことだ。これは、仕様に書いてあることを満足できないという、「品質」に関わる問題である。

 そして「安全性」の問題。例えば、ノート・パソコンの表面温度が高くなり、低温やけどのリスクが増すなどが挙げられる。これは、先の工程に進むにつれて対策が難しくなるため、かなり初期の段階から対応する必要がある。

 従来、熱対策は典型的な「当たり前品質」といわれていた。しかし今は、それが差異化要因になってきており、小型と高性能を両立するためには熱問題をクリアしなくてはならない。

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