読者の皆さんは米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)の「Treasure Truck」や「Mama Bear」をご存じだろうか。米国では現在、同社の新しいサービスや商品が次々に登場しており、日本人が知らないアマゾンの本当のすごさ、恐ろしさが浮かび上がる。

 まずは米国でしか見られないアマゾンの新しい姿を3つ紹介しよう。(1)日替わりの特売品を運んでくるTreasure Truck、(2)商品を配達する車両の場所がリアルタイムで分かる自社配達サービス、(3)赤ちゃん用品や食品、家具などのプライベートブランド(PB)、である。

ホールフーズの駐車場で特売品を販売

 Treasure Truck(お宝トラック)は2017年の年末商戦から米国の主要25都市で展開が始まったアマゾンの最新サービスだ(写真1)。サービス提供地域に住むユーザーのスマートフォンには毎朝、その日の「特売品」の情報が届く。特売品の内容は、人気家電やグルメ食材、ファッション用品などまさに日替わり。ユーザーがスマホアプリで特売品を注文すると、特売品を積んだTreasure Truckがいつ、どこに現れるか通知されるので、ユーザーはその場所まで出向いてトラックから商品を受け取る。

写真1●アマゾンの「Treasure Truck」
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 Treasure Truckがよくやって来る場所の一つが、アマゾンの子会社である高級食品スーパー「ホールフーズ・マーケット(Whole Foods Market)」の駐車場だ(写真2)。Treasure Truckは実は、ホールフーズの販売促進手段でもある。特売品目当てでやってきたユーザーによるホールフーズでの「ついで買い」を促すため、Treasure Truckで調理家電を購入したユーザーには、ホールフーズで使える電子クーポンも発行している。

写真2●「ホールフーズ・マーケット」に駐車するTreasure Truck
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 ホールフーズとアマゾンのサービスの融合は加速している。アマゾンは2017年下期から生鮮食品配達サービス「AmazonFresh」でホールフーズのPB商品の取り扱いを始めた。さらに2018年2月からは一部都市で、アマゾンの「Prime」会員に対してホールフーズ店内にある商品を2時間以内に配達する試験サービスも始めている。

 同じく2018年2月からは、アマゾンのPrime会員向けクレジットカード「Amazon Prime Rewards Visa Signature Card(Amazon Prime Card)」を使ってホールフーズで買い物すると、購入金額の5%がオンラインの「Amazon.com」で利用できるポイントとして還元されるようになった。この還元率はオンラインのAmazon.comでのカード利用と同じだ。従来はAmazon.com以外の買い物での還元率は1~2%だった。

 アマゾンがホールフーズの買収を完了したのは2017年8月のことである。それからわずか半年足らずでオンラインと実店舗の融合はここまで進んだ。そのスピードには目を見張るばかりだ。

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