住人が互いに助け合う居住空間や地域コミュニティーをどうつくるか――。こんな観点から実例を募集したローカル・リパブリック・アワードの公開審査が5月13日に開かれた。53点の応募の中から最優秀賞に選ばれたのは、栃木県鹿沼市の旧市街を再生する活動だ。1999年から約20年間にわたって継続している。

 建築家の山本理顕氏らが創設した新たな賞「LOCAL REPUBLIC AWARD(ローカル・リパブリック・アワード)」の最終審査が5月13日に行われ、応募総数53点の中から、栃木県鹿沼市での「鹿沼の路地からはじまる小さな経済 ―祭り衆がつなげるTerritorialshipとTrustship―」と題する活動が最優秀賞に選ばれた。建築設計室わたなべの渡邉貴明氏、日光珈琲の風間教司氏、小山工業高等専門学校建築学科助教の永峰麻衣子氏が共同で応募した。

「ローカル・リパブリック・アワード」の入賞・入選者と審査員、実行委員。中央が山本理顕氏(写真:LOCAL REPUBLIC AWARD実行委員会)
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 ローカル・リパブリック・アワードは、山本氏が働き掛け、寺田倉庫の中野善壽代表取締役の賛同を得て創設。山本氏は、「これからの日本の社会では、住人が互いに助け合う住み方が可能な居住空間と地域コミュニティーをつくっていくことが重要である」とし、アワードはその実践を試みる人々を先導役として応援することを目的にしている。

 審査委員長は山本氏で、審査員は中野代表のほか、建築家の北山恒氏、建築史家の陣内秀信氏、オランダ・アムステルダムを拠点に活動する建築家の吉良森子氏、社団法人SEEDS OF LIFE代表のジョン・ムーア氏が務めた。中野代表は最終審査会を欠席した。

最終審査のプレゼンテーションの様子。建物のオーナーが説明するグループもあった(写真:長井 美暁)
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 最終審査は公開され、一次審査を通過した7組がプレゼンテーションを行った。7組のメンバー構成は多様だ。建物のオーナーや地域住民の代表者が説明したグループもあり、このアワードの特色が表れていた。

 「リパブリック」という言葉は、日本では共和国と訳されることが多いが、「本来は、共に住む人たちに敬意を払う、互いに配慮して生活する、という意味だ」。アワードの名付け親である山本氏はこう話し、審査のポイントに「自治的な活動が行われているか」「経済的な活動が行われているか」「活動自体に持続性があるか」「空間として表現されているか」の4つを挙げた。経済的な活動は金銭に限らず、「様々な『エクスチェンジ(交換)』がある」という。各審査員からも、地域住民の自主性やコミュニティーの自立性、地域資源の発掘などのポイントが挙がった。

挙手制も取り入れながら選考(写真:長井 美暁)
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