構造用合板と筋交いは大きな変形を繰り返し受けると強度が急激に低下する。だが、木と鉄を組み合わせてつくるkitotetuパネルは初期の6割以上の強度を保ち続ける。

 製造メーカー側が実施した耐力壁の面内せん断試験でこうした特性を確認。メーカーが2018年2月に実施したシンポジウムで明らかになった。

 kitotetuパネルは、ハウスギア(千葉県柏市)とトーア(新潟県長岡市)が開発と製造、販売を手掛け、09年に4.2と4.5の壁倍率で大臣認定を取得した耐力壁だ。

 日新製鋼が開発した厚さ1.2mmの高耐食鋼板の四周を折り曲げた面材に、押し出し法ポリスチレンフォームを工場で張り合わせ、木の柱と梁にネジで室内側から留める。

kitotetuパネルの施工現場。木の柱と梁にネジで室内側から真壁仕様で留める。中央の間柱は工場でのパネル生産時に取り付ける(写真:日新製鋼建材)
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 高精度で効率良く施工できる半面、製品価格が断熱材込みで坪当たり約4万円と高い。鉄の持つねばり強さを付加価値に掲げるものの、従来の試験方法では層間変形角が50分の1ラジアンとなる荷重までしか測定しないので、その特性が十分に評価されていなかった。

 耐力壁の試験方法を定める日本住宅・木材技術センターは、大きな変形時の耐力壁の挙動をより詳しく把握できるように、17年3月に試験方法の一部を改正した。「層間変形角30分の1ラジアンでのせん断試験を1回追加するのが望ましい」という記述を加えたのだ。

 kitotetuパネルでは、30分の1ラジアンとなる状況を10回繰り返すという過酷な試験も独自に追加した。実験の監修を務めた工学院大学名誉教授の宮澤健二氏は次のように話す。「熊本地震で被災した住宅は30分の1ラジアンに達する変形を数回経験している。繰り返しの変形に対する強さも考慮する必要がある」

kitotetuパネルの実験開始前の様子。実験は長さ1820mmと910mmの耐力壁で実施した(写真:日新製鋼建材)
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