2020年の東京五輪を契機に、国土交通省は宿泊施設のバリアフリー客室基準を見直す。訪日客を含めて利用者増が見込まれる宿泊施設では、障害者団体をはじめ、国際パラリンピック委員会(IPC)や日本パラリンピック委員会(JPC)から、バリアフリーに対応した客室の不足が指摘されていた。

 国交省は17年10月から12月にかけて実態調査を実施。18年2月27日に、障害者団体や施設管理者関係団体、特定行政庁などからなる「ホテル又は旅館のバリアフリー客室基準の見直しに関する検討会」(座長:高橋儀平・東洋大学ライフデザイン学部教授)で結果を報告した。調査対象にした国内のホテルや旅館といった宿泊施設で、通路などをバリアフリー化している施設は全体の8割近かった。その一方、客室の状況は相対的に十分ではないという実態が浮き彫りになった。

国土交通省が実施したアンケート調査結果の一部。施設管理者関係団体に属すホテルや旅館、団体に属さない大手チェーンのホテル・旅館606施設から回答を得た(出所:国土交通省の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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調査で示した客室の仕様詳細。左の「UDルーム」が「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー法)の施行令が定める「建築物移動等円滑化基準」を満たす仕様だ。調査の結果、基準を満たす客室を備えた施設は3割程度にとどまっていることが分かった(資料:国土交通省の調査結果分析資料から抜粋)
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 車いす使用者用の客室(UDルーム)を備えているホテルおよび旅館の数は、回答した606施設の約3割に当たる194施設。UDルームの設置数は平均1.9室と少なかった。

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