世界の巨大OTT(Over The Top)プレイヤー、あるいはITジャイアントと言えば、グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)、アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)の米4社が有名だ。その頭文字からGAFAと呼ばれる。GAFAは世界のほとんどの地域で大きなプレゼンスを誇っているが、その影響力が極めて限定されているのが中国だ。

 GAFAに相当する中国の巨大OTTは、バイドゥ(Baidu、百度)、アリババグループ(Alibaba Group、阿里巴巴集団)、テンセント(Tencent、騰訊科技)の3社である。これらは頭文字をとってBATと略される。本稿では、BATのうち成長が著しく最も影響力の大きいAlibabaについて、その背後で中国政府が強力に進める「一帯一路(現代の陸と海のシルクロード)」政策と絡めながら、注目すべきポイントをまとめる。

Alibaba Groupの売上高推移
出典:Statistaより情報通信総合研究所作成
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「独身の日」にAlibabaの取引額が2.7兆円を超えた

 まず中国国内の最近の動きから見てみよう。毎年11月11日は数字の並びから「独身の日」(中国では「双十一」「単身節」「光棍節」と表記)と呼ばれ、電子商取引(EC)の集中キャンペーンが行われる日としてここ数年で完全に定着した。なかでもAlibabaのプレゼンスは最大であり、同社の2017年「独身の日」の総取引額は、24時間で驚くべきことに約1,600億元(約2.7兆円超)という規模であった。なお、この日の主要6つのECプラットフォーム合計では、取引額は2,540億元(約4.3兆円)だった。これらには海外との取引(越境EC)も相当量含まれており、一帯一路エリアの国々も含め、中国人が進出する世界各地をまたぎながら様々なレベルで急速に拡大している状況だ。

拡大するキャッシュレス化

 この背景は、スマートフォン(スマホ)の普及と相まってモバイル決済が急速に拡大したことと無関係には語れない。中国では特に2017年に入ってから「キャッシュレス化」の動きが加速している。2017年7月の中国インターネット情報センター(CNNIC)による発表によると、同6月末時点で約5億人がモバイル決済を利用しており、至るところで様々な支払いの決済がスマホとQRコードをベースに行われている。最近では、屋台の支払いにまで対応しており、ほとんど現金を使わずに生活する人もいる状況になっているといわれる。

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