米アップルは2018年6月4日から8日にかけて、カリフォルニア州サンノゼで開発者会議「WWDC 2018」を開催した。初日の基調講演では例年通り、「iOS 12」「watchOS 5」「tvOS」「macOS Mojave」といった今秋リリース予定の最新ソフトを発表した。

 一方、開発言語の「Swift」や新しいAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)などについてはバージョンアップの発表がなく、現行ソフトの安定性や効率性の強化にとどまった印象を受ける。

開発者の売り上げは累計1000億ドルに

 ティム・クックCEO(最高経営責任者)は、基調講演で開発者コミュニティの広がりを紹介。まもなく10周年を迎える「App Store」には週5億人以上が訪れ、開発者の売り上げは累計1000億ドルに達することを明らかにした。

WWDC 2018の基調講演に登場したティム・クックCEO(最高経営責任者)
(撮影:松村 太郎、以下同じ)
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 同社はこれまで、アプリの購読サービス化を促すため、1年以上購読したユーザーからの売上手数料を15%と半額にする措置などを実施。アップルと開発者の双方がアプリビジネスで継続的に収益を得られるように努めてきた。

 その開発者を前にして、株主などから批判が出るスマホの使い過ぎ対策を発表したことは勇気ある決断だった。アプリビジネスを活性化させたい一方で、今回の発表はユーザーの接触時間の抑制、すなわちアプリ利用時間の減少につながるものだからだ。

 このほか、基調講演ではAR(拡張現実)開発環境の強化や「Siri」のアプリ連携など、開発者の想像をかき立てる新機能も発表された。OSのリリースまでにアプリがそろうと、今後どのような新しい使い方が提案されるのか、楽しみである。

SiriKitの刷新により、iOS 12ではアプリ開発者がアプリの機能をSiriから呼び出せるようになる
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