地形や構造物の形状を精度良く短時間で計測できる利点を持ち、建設業界の注目を集める3次元レーザースキャナー。国内の建設分野で拡大する需要を狙い、海外の新興スキャナーメーカーが市場に参戦している。ルクセンブルクのアーテック3Dは6月20日、建設現場でも使える地上型3次元レーザースキャナー「Artec Ray」の日本での販売を始めた。

アーテック3D最高業務開発責任者のアンドレイ・バクレンコ氏の隣にあるのが、地上型3次元レーザースキャナー「Artec Ray」。日本では、東京ビッグサイトで6月20日から22日にかけて開催された「設計・製造ソリューション展」で初公開した(写真:日経コンストラクション)
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 新たな地上型スキャナーは1秒間に約20万発のレーザーを照射。最大110m離れた対象物を、誤差5mm以下で計測できる。対象物までの距離が15m以内であれば誤差は0.7mm以下に抑えられるなど、近距離の高精度測位を得意とする。国内の代理店を通し、6万ドル(約666万円)で販売する。

 アーテック3Dは創業して11年の新興スキャナーメーカーだ。同社はこれまで手持ち式レーザースキャナーを中心に製品を展開してきた。主力製品の「Artec Eva」は2014年、米国のオバマ前大統領の胸像とフェイス・マスクを3次元プリンターで作成するプロジェクトで採用されたことで知られる。

米オバマ前大統領の胸像とフェイス・マスクを作成する過程で、レーザースキャナーを使って得られた3次元モデル(左)と、カメラ画像を基に色情報を足したモデル(右)。肌の微細な凹凸まで再現できている(資料:アーテック3D)
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 同プロジェクトでは、座っている前大統領の周りを、手持ち式スキャナーを持った計測者2人が90秒かけて1周するだけでスキャンを完了。誤差0.5mm以下の高精度な3次元点群データで、前大統領の頭部を再現した。

手持ち式のレーザースキャナー「Artec Eva」で大統領をスキャンする様子(写真:アーテック3D)
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 この手持ち式スキャナーと新たな地上型スキャナーとを組み合わせて使えば、より詳細な形状データが得られる。地上型スキャナーで構造物の大まかな形状を、死角となった箇所や細かい凹凸を手持ち式スキャナーでそれぞれ測る、といった使い分けが可能だ。

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