宮城県が気仙沼市で建設中の防潮堤の一部が施工ミスで設計より22cm高くなっていた問題で、県は現状のまま工事を進める一方、背後地の地盤をかさ上げして陸側からの防潮堤の見た目の高さを抑える新たな方針を示した。住民らでつくる「内湾地区復興まちづくり協議会」の6月30日の会合で、県が見直し案を提示した。

 見直し案では、防潮堤の背後地で市が進めている区画整理事業の宅地の地盤を5~20cmかさ上げして、防潮堤と地盤との高さの差を最大約1mに抑える。かさ上げ工事は約10日間で済み、宅地の引き渡しも2週間ほどの遅れにとどまる見通し。数千万円と見込まれる費用は、県が全額を負担する。

気仙沼市魚町地区で建設中の防潮堤(写真:宮城県)
[画像のクリックで拡大表示]

 県は当初、背後地の地盤のかさ上げは区画整理事業の大幅な変更に当たると判断。区画整理事業の許認可手続きなどで最長9カ月ほどかかるとみていた。しかし許認可権を持つ国などに改めて確認したところ、地盤のかさ上げは「軽微な変更」に当たり、許認可手続きは2カ月程度で済むことが分かった。そこで、海への眺望を求める住民らの要望に応じ、今回の見直し案を提示した。

 施工ミスがあったのは、気仙沼市魚町地区に建設している海抜4.1mの高さの防潮堤。県が3月に測定したところ、延長312mのうち完成済みの延長160mで天端高が設計より22cm高かった。東日本大震災後の地盤隆起分を引き下げる設計変更を反映せずに施工したのが原因だ。

 県は協議会の4月の会合で施工ミスを明らかにしたうえで、今後の対応として(1)施工済み箇所を22cm引き下げて造り直す(2)背後の区画整理事業でさらに地盤をかさ上げする(3)現行の工事をそのまま続ける――の3案を示した。

宮城県が4月の会合で示した防潮堤の対応策(資料:宮城県)
[画像のクリックで拡大表示]

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は申し込み初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら