国土交通省関東地方整備局はこの8月から、「地下神殿」の異名を持つ首都圏外郭放水路の見学ツアーの運営を民間企業に任せ、見学者の受け入れ数を約4倍に拡大する。インバウンド需要の増大を見据え、民間の運営ノウハウや集客力を取り入れてインフラの観光資源化を強化する。

首都圏外郭放水路の調圧水槽。「地下神殿」の異名を持ち、国内外の観光客から人気の撮影スポットだ(写真:国土交通省)
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 関東地整は社会実験として、運営者に旅行会社の東武トップツアーズを選定。民間企業が防災インフラの見学ツアーを運営するのは全国初の試みだ。

 首都圏外郭放水路は、国道16号の地下50mに建設された世界最大規模の地下河川。大雨が降った時に周囲の河川の氾濫を防ぐため、雨水をいったん地下河川にため、ポンプで江戸川に放出する。

 埼玉県春日部市にある放水路東端の調圧水槽は、流れてきた水の勢いを弱めるための施設だ。鉄筋コンクリート(RC)造の水槽の大きさは幅177m、奥行き78m、高さ18m。巨大な地下空間に59本のRC柱が林立する様子が、「地下神殿」と呼ばれるゆえんだ。

 これまでは国交省が調圧水槽や周辺施設の無料見学会を開いていた。1日100人を定員とする見学会には、国内外から年間約1万8000人が訪れる。その人気に目を付けた国交省と春日部市は今年2月、放水路の観光活用と周辺地域の活性化を議論する協議会を設立。協議会と連携して見学ツアーを運営する会社を公募し、今年5月に東武トップツアーズと協定を結んだ。

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