宮城県が気仙沼市で建設中の防潮堤の一部が施工ミスで設計より22cm高くなっていた問題で、県は現状のまま工事を進める方針を示した。

 住民らでつくる「内湾地区復興まちづくり協議会」の5月18日の会合で、村井嘉浩知事が「全ての責任は私にある」と謝罪したうえで、工事の進捗が5割を超えていることなどから、現行工事の続行に対して住民らの理解を求めた。

気仙沼市魚町地区で建設中の防潮堤(写真:宮城県)
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 施工ミスがあったのは、気仙沼市魚町地区に建設している海抜4.1mの高さの防潮堤。県が3月に測定したところ、延長312mのうち完成済みの延長160mで天端高が設計より22cm高かった。東日本大震災後の地盤隆起分を引き下げる設計変更を反映せずに施工したのが原因だ。

 県は4月に、協議会の会合で施工ミスを明らかにしたうえで、今後の対応として(1)施工済み箇所を22cm引き下げて造り直す(2)背後の区画整理事業でさらに地盤をかさ上げする(3)現行の工事をそのまま続ける――の3案を示した。

 これを受け、住民らの間で対応を協議。18日の会合で、施工ミスのあった防潮堤の背後地にある魚町2区自治会が設計通りの高さで造り直すよう協議会に要望書を提出した。協議会も県に造り直しを求める方向で意見がまとまった。

 その直後に、村井知事が現状維持の考えを表明。その理由として、既に工事が5割以上進んでいることに加え、津波襲来時に浮力で立ち上がるフラップゲート(起立式ゲート)の撤去と再設置には高い技術力と多くの時間が必要で、造り直しには2億~3億円の費用がかかることを挙げた。

宮城県が4月の会合で示した防潮堤の対応策(資料:宮城県)
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