6人が死亡した、米フロリダ州の歩道橋崩落事故。原因は調査中だが、事故発生時に作業員がプレストレスト・コンクリート(PC)鋼材の緊張力を調整していたことが分かっている。

米フロリダ州マイアミで建設中に崩落した歩道橋。写真左手が北、右手が南だ。2018年3月15日撮影(出所:Abaca/アフロ)
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 米フロリダ州マイアミにあるフロリダ国際大学(FIU)付近で3月15日午後1時半ごろ、建設中の歩道橋が片側4車線の幹線道路(Southwest 8th Street)に崩落。走行中の車が巻き込まれて6人が死亡した。

 崩落したのは全長84mの橋のうち南側に架かる延長53m、重量950tの上部構造。道路の脇で事前に組み立て、3月10日に多軸台車で一括架設したばかりだった。

 この上部構造は、庇(ひさし)と床を「フランジ」、トラス斜材を「ウエブ」とするI字形の断面をしている。2015年9月時点の設計図面によると、庇と床、それらをつなぐ斜材は一部を除いてPC構造だ。

崩落した歩道橋の平面図と立面図(出所:米国家運輸安全委員会の資料に編集部が加筆)
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歩道橋の完成予想図。技術提案時の資料では、主塔とケーブルには橋の剛性を高める機能があるとしていたが、米国家運輸安全委員会は「装飾」だと説明している(出所:フロリダ国際大学)
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 歩道橋の一般図や完成予想図を見ると「斜張橋」を思わせる形状をしているが、実際の構造形式は2連の単純桁橋だった。事故原因を調査している米国の国家運輸安全委員会(NTSB)の担当者は「(崩落時に未設置だった)主塔とケーブルは装飾だ」と語る。

 歩道橋の発注者は、フロリダ国際大学だ。事業費は1420万ドル(約15億円)で、米運輸省の助成を受けていた。発注は設計・施工一括方式で、設計をFIGGブリッジグループ(フロリダ州)が、施工を地元の建設会社であるMCM(Munilla Construction Management)が担当していた。両社は「調査に全面的に協力する」と表明している。

 フロリダ国際大学はこのほか、監督・検査業務をBolton Perez and Associates(フロリダ州)に発注していた。

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