日経NETWORK編集長 勝村幸博

 セキュリティベンダーのネットエージェントは2018年6月末、WinnyやShareおよびPerfect DarkといったP2Pファイル共有ソフトウエアの利用状況を発表した。それによると、Winnyは4万5000人超、3ソフト合計で約9万人のユーザーがいるという。一体、誰が使っているのだろうか。

 ご存じの方は多いだろうが、Winnyの歴史を簡単に振り返ろう。Winnyは2002年5月に公開された国産P2Pファイル共有ソフトウエア。全体を管理するサーバーを必要とせず、クライアント同士で通信が完結するピュアP2P。障害に強く匿名性が高いということで、登場以降、急速にユーザーを増やした。

 それに伴い、著作権を侵害する動画やソフトウエアがWinnyで多数やり取りされるようになり大きな問題になった。2003年11月には、著作権侵害の疑いで初の逮捕者が出た。

 違法なコンテンツのやり取りに悪用されてしまうのはファイル共有ソフトウエアの宿命だ。Winny登場以前に広く使われていたファイル共有ソフトウエアのWinMXでも、他者の著作物をアップロードした人物が逮捕されている。

 ほかのファイル共有ソフトよりもWinnyが問題視されたのは、Winnyで感染を広げ、個人情報を漏洩させるウイルスが出現したからだ。2004年3月に出現した「Antinny.G」などと呼ばれるウイルスおよびその亜種(以下、Winnyウイルス)は、Winnyユーザーの個人情報を不特定多数に漏洩させる。

 Winnyウイルスは巧みだ。拡張子がexeの実行形式ファイルだが、アイコンやファイル名を偽装して、Winnyでやり取りされているような動画ファイルやフォルダーに見せかける。Windowsの初期設定では本当の拡張子であるexeが表示されないため、だまされる危険性が高い。

Winnyウイルスの偽装例
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