ベンチャー企業や大企業のデジタルビジネスを取材していると、「よくこんなサービスを思いついたものだ」と舌を巻くことがある。2018年6月1日、ベータ版として登場したソーシャル基金サービス「Gojo(ゴジョ)」もその一つ。考え方は昔からあったのに、デジタルサービスとしては類似のものが見当たらないという点が面白いと感じた。

 Gojoはオンライン上で互助会を作るためのサービスだ。同じ目的や問題意識を持つ者同士がGojo内でコミュニティーを形成し、資金を出し合う。貯めた資金はコミュニティーの形成時に決めた条件に従ってコミュニティの参加者が使うことができる。開発元はベンチャー企業のBrainCatだ。2017年10月にメルカリやGMO VenturePartners、個人投資家の家入一真氏などからシードラウンド(起業準備段階の資金調達)として5500万円を資金調達したことを記憶している読者もいるかもしれない。

ソーシャル基金サービス「Gojo」の概要
(出所:BrainCat)
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 具体的な使い方はこうだ。まず発起人がスマートフォンアプリからコミュニティーを作る。その際、発起人は参加条件や出資金額、給付金を支払う条件などを決める。コミュニティーを一般に公開するか非公開にするかも選べる。BrainCatの審査に通れば、Gojo上にコミュニティーが登録される。

 Gojoのユーザーは自分の興味のあるコミュニティーに参加し、出資できる。発起人が決めた条件を満たす参加者は、コミュニティーから必要に応じて給付金を受け取れる。給付申請した参加者に対して実際に支払うかどうかは、コミュニティーの参加者同士で審査する。

 Gojoの使い道は様々だ。クラウドファンディングや募金のように資金を集めたり、保険代わりに利用したりできる。スポーツ選手などの活動資金を集めるファンクラブを作ることも可能だ。

 2018年4月から一部のユーザーにアルファ版を公開していたので、ベータ版公開時には既に複数のコミュニティーが作られている。例えば、「MATERIAL中川町」というコミュニティー。これは、福岡県北九州市若松区中川町に、クリエイターの集まる場所を作るための資金を集めるというものだ。クラウドファンディング的な使い方である。

 このほか、「GFTDたすけあい共済」というコミュニティーでは、発達障害のある子ども向けの奨学金制度としてGojoが機能している。ロンドン五輪で銀メダルを取った、バトミントンの藤井瑞希選手の活動を支援する「バトミントン藤井瑞希応援Gojo」というコミュニティーもある。これはファンクラブ的な位置付けだ。

Gojoのスマートフォンアプリの画面
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