期待の新戦略が空振り続きだった大手キャリア。その逆襲がようやく始まりそうだ。巻き返しのきっかけは2018年5月9日に開始する新サービスの「+メッセージ」。キャリアならではの強みを生かす戦略が何とか見つかったようだ。

 各種サービス事業者から再びユーザーの目を引きつけられるようなサービスを生み出す主導権を奪うため、二の矢三の矢も控えている。しばらく目を離せそうにない。

+メッセージを共同で発表するNTTドコモの藤間 良樹部長(左)、KDDIの金山 由美子部長(中央)、ソフトバンクの千葉 芳紀部長(右)
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モバイル回線を「土管」化したスマホ

 今や万人にとっての必需品といえるスマートフォンだが、大手キャリアにとっては“獅子身中の虫”ともいえ、必ずしも歓迎すべき存在ではなかった。契約者やデータ通信量が増える原動力になったのは事実だが、一方でそれまで圧倒的だったキャリアの支配力が大幅に弱まる原因となったからだ。

 スマホ登場前、携帯電話関連の製品やサービスはキャリアが主導権を握って開発してきた。大ブームとなった「i-mode」しかり、「写メール」として一時代を作ったカメラ付き携帯電話しかり、今に続く「おサイフケータイ」しかり。今では時に“日本独自”と揶揄(やゆ)されるものの、キャリアが主導して数多くの製品やサービスを生み出してきた。

 ところが、スマホが普及するにつれてこうした状況は一変。主役は米フェイスブック(Facebook)といったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)事業者、LINEなどのメッセージングサービス事業者、さらには音楽配信や動画配信を手がけるサービス事業者に移ってしまった。

 人々が注目する新サービスを生み出すのは通信プラットフォーム上でサービスを提供するこうしたOTT(Over The Top)事業者ばかり。大手キャリアはそれらのサービスを利用するための通信網、いわゆる「土管」を提供するだけの存在になってしまった。

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