世界には、道路や鉄道などのインフラが不十分で移動もままならない人が大勢いる。「空飛ぶクルマ」でモビリティーの自由を広めたい。中村翼氏は、大手企業に在籍しながら、夢の実現に向けて突っ走る若き事業家だ。人が乗れる電動ドローンの開発を進める有志による組織「 CARTIVATOR 」を立ち上げ、2020年の東京五輪で飛翔させる目標を掲げる。2025年には、自律飛行型タクシーを実用化する計画だ。普及期には、自宅ベランダから軽井沢へ直行して朝食を取り、都心のオフィスに戻って仕事を始める、といったことが日常になるかもしれない。(聞き手は三宅 常之、根津 禎=日経 xTECH/日経エレクトロニクス)

中村翼氏。100人ほどで構成する有志組織「CARTIVATOR」を率いる。(撮影:加藤康)

CARTIVATORを立ち上げた経緯は。

 子供のころからものづくりが大好きでした。小学生時代には、将来エンジニアになると決めていたほどです。一方でリーダーシップを発揮することにも面白さを感じていました。大学生時代には、自作の自動車によるレーシングチームに入り、自ら手を挙げてリーダーの立場となって仲間を率いた経験があります。技術は好きですが、人をまとめて事業を回していくことにも興味があったのです。

 卒業後には、米テスラ(Tesla)社を創業したイーロン・マスク氏のように自動車メーカーを立ち上げることを考えました。しかし自動車メーカーの創業には、工場設備に大きな投資が必要になります。まわり道かもしれませんが、まずは自動車メーカーに入ってみようと考えました。自動車開発の責任者になれるかもしれず、そこから起業する道があります。

 自動車メーカーには2009年に入社しましたが、夢を早く実現したいという思いは断ち切れませんでした。設計業務などに携わっていて、新規事業の部門に在籍しているわけでもありません。そのうち、カスタムメイドの自動車を販売するメーカーを立ち上げたいと、勤務時間外に活動するチームを有志の仲間と組織することになったのです。仲間とともに練ったアイデアで社外のビジネスコンテストに出場し、優勝することができました。ビジネスコンテストでの経験から、100個以上を出し合ったアイデアのうち最も大きな夢が感じられる「空飛ぶクルマ」の事業化を進めることにしたのです。

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