米スクエア CEO ジャック・ドーシー氏
ツイッター、スクエア両企業の創業者であり現在、2社のCEO(最高経営責任者)を務める。(撮影:三井 公一、以下同じ)
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 米スクエア(Sqquare)が米ニューヨーク証券取引所に上場したのが2015年11月のこと。スマートフォンやタブレットに小型端末をつけることでクレジットカード決済を可能にし、その後、POS(販売時点情報管理)や融資サービスにまで事業を拡大。業績を着実に伸ばしている。米ツイッター(Twitter)を含めて上場企業2社のCEOを務めるジャック・ドーシー氏に、Square好調の背景、そしてテクノロジーの今後について話を聞いた。

(聞き手は原 隆=日経FinTech編集長)

2009年に創業してから事業を多角化し、その後、上場を果たしました。業績も好調です。

 事業が好調な理由は、ひとえに皆さんが使いたいプロダクトを我々が提供している証左だと考えています。使っている店舗がほかの店舗に勧めてくれる良いスパイラルが生まれています。これこそが9年間にわたって私たちが成長を続けている最大の要因と見ています。

 店舗向けの融資サービス「スクエア・キャピタル(Square Capital)」が伸びているのも同様の理由です。人々は我々のサービスに価値を見い出し、数多くのリピーターが生まれています。それは、従来の金融機関では提供し得ない価値です。ここまで早く融資を得られる方法はほかにはないからです。

 銀行は通常、スクエア・キャピタルが貸し出す小規模な融資は手掛けていません。私たちの平均融資額は約6000ドル(65万円)です。つまり、スクエア・キャピタルが競合するのは金融機関ではありません。ビジネスを成長させるために友人や家族に借り入れにいく人たちの需要に応えています。これはまったく新しい市場を生み出したと思っています。

 私たちは米国で提供しているすべてのサービスをグローバル展開したいと考えています。スクエア・キャピタルも同様で、時間の問題です。日本でも展開する予定はありますが、タイミングはまだ未定です。

2017年9月に米ユタ州で銀行業の免許を申請していますが、この狙いは?

 スクエア・キャピタルのさらなる成長のためです。効率を上げ、オペレーションをより改善できると見ています。

 私たちはこれまで、潜在的に存在している「Friction Point(摩擦点)」を特定し、これを改善するというプロダクト開発を進めてきました。それはハードウエアであれば、メカニック数を減らすことと同義です。スクエア・キャッシュも現金を前貸しするサービスから始め、融資サービスへと進化を遂げてきました。常に多くを学びながら進化を続けてきたわけです。銀行業のライセンス取得は、次に向けた単なる進化の一つでしかありません。当然、新しいプロダクトの開発に繋がる可能性もあります。ライセンスを取得できれば役に立ちますが、取得できなくてもマイナスにはならないのです。

2017年10月に独自端末の「スクエア・レジスター(Square Register)」を発表しました。スクエアはスマートフォンやタブレットなど汎用的なハードウエアを用いることで加盟店の初期導入コストを下げ、これこそが支持されてきた理由だと考えてきました。なぜこのタイミングで専用端末を発表したのでしょうか。

 専用端末のスクエア・レジスターを開発したのは、iPadやiPhoneといった消費者向けデバイスを求めていないという店舗の声が少なからずあったからです。比較的規模の大きな店舗はカスタムメイドでニーズを満たしてくれる製品を求めていました。

 あなたのご指摘は分かります。スクエアのほかの製品と比べると高価に見えるかもしれませんが、別のPOS(販売時点情報管理)製品と比較すると、極めて手頃な価格だということが分かるでしょう。POSシステムを完成させるためには、けた違いのコストがかかり、そこにはサポートコストは含まれていません。スクエア・レジスターには、直感的で誰でもすぐに利用できるという利点があります。

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