自動運転技術の開発にまい進する自動車メーカーを筆頭に、製造業でのAI活用のスピードは加速する一方だ。工作機械の故障予知、生産効率の改善からマーケティング精度の向上まで、幅広い分野でAIへの取り組みが始まっている。

 それに伴って、AI人材の不足も深刻化している。日経コンピュータが大手製造業に実施したアンケート結果を見ると、各社の不足数は数人~数十人。ダイキン工業の150人、パナソニックの数百人など、100人を越す規模で確保を目指す企業もある。

アンケートに回答した製造業19社のうち、記名で答えた18社による回答の概要。AI人材獲得・育成へ大学との連携を模索している
(表の「人材数」は、自社にとっての「AI人材」のおおよその現状人数と不足人数。 「人材確保施策」は、人材確保のために有効または有望と考える施策を示す。 「活用事例」は、自社におけるAIの代表的な活用事例を挙げてもらった)
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 確保の手立てとして各社が有望視するのが、大学とのつながりだ。製造業では、大学の研究室との共同研究を実施したり、研究室からの人材推薦を受けたりしている企業が多い。こうした関係性を、AI人材の確保にも生かそうとしているようだ。

 大学と連携した取り組みは、外部獲得/社内育成の両面で見られる。外部獲得では、ダイキン工業が「大学からのインターン受け入れなどによる学生の呼び込み」を挙げた。研究者が、大学や企業など二つ以上の組織と雇用契約を結ぶ「クロスアポイント制度」も有用だ。パナソニックはこの制度を活用し、大学教授を社内に招へいする施策を有望視している。

 社内育成の面でも、大学への期待は高い。大学などとの共同研究を挙げたのは、LIXILやライオン。大学の研究者などと共に研究に取り組む中で、自社の人員のスキル向上を狙う。例えばLIXILは、2014年から慶応義塾大学や筑波大学と共同研究を実施している。自社が保有するデータを提供し、コールセンターの人員数の予測や在庫部品の最適化などの研究を進める。

 ダイキン工業は、大阪大学と連携したAIの社内講座を開講する。社内人員を同講座に参加させ、データ解析や画像認識、自然言語処理などの技術を習得させている。

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