2020年に開催予定の東京五輪に向けて、建設、自動車、IT・通信などの各技術領域で大きく変貌していく東京。では、東京都のリーダーである小池百合子・東京都知事は、東京をどのように変えていこうとしているのか。とりわけ都市づくりに今後技術をどう活用していくのか、技術観やビジョンを聞いた。

(聞き手は大石 基之=日経 xTECH編集長、山本 恵久=日経 xTECH/日経アーキテクチュア)

「オールド」があってこその「ニュー」

日経 xTECHのインタビューに応じる小池百合子・東京都知事(撮影:澤田 聖司)
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小池都知事がお持ちの広い意味での技術観や都市観から、まずお聞かせください。21世紀の東京において、人がどのように技術を使い、いかにメリットを享受していくのか。そうしたグランドデザインをお話しいただけますか。

 私には東京都知事として、まさしく今後の街づくりに責任があるわけです。ブルドーザーで街をつぶし、無機質なものに一新するようなことはしたくありません。老朽化したインフラなどは更新するけれど、なんでもかんでも新しくする気はない。そもそも、東京はそうはならないとも思っています。

 東京都は2017年4月に、海外に東京の魅力を発信するためのアイコンとキャッチフレーズを決めています。それが「オールド・ミーツ・ニュー」(Tokyo Tokyo Old meets New)という言葉です。まあ、世界の街というのは、だいたいはオールド・ミーツ・ニューなんですけれど(笑)。やっぱり東京もオールドがあるから、そこに新しいものが出来ても似合う街なんですよね。

 それから、このアイコンには渋谷のスクランブル交差点を表現した落款(らっかん)が入っています。日本の人はあまり気付いていないかもしれませんけれど、ニューヨークであればタイムズスクエアを思い出すように、世界のほかの国から見れば渋谷のスクランブル交差点というのは、とても象徴的な場所なんです。

観光PRのために東京都が17年4月に発表したアイコンとキャッチフレーズ「Tokyo Tokyo Old meets New」。3案に対するパブリックコメントを実施した後に決定した(出所:東京都)
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小池百合子・東京都知事。手にしているのが、「東京の新しい観光名所である」と都が位置付ける渋谷のスクランブル交差点をイメージした「落款」のデザイン画(撮影:澤田 聖司)
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 渋谷のスクランブル交差点の何がポイントかと言ったら、あれだけ大勢の人がみんな整然と歩いているということですよ。ほかの街にはない日本のディシプリン、つまり規律の存在を感じる場所です。それが、街に一味加えているんじゃないかな、と思います。

 オールドを大事にするといっても、これからの技術革新から後れを取ってはいけない。技術というのは、あっと言う間に世の中を変えるものです。

 私が政治の世界に入り、まず総務政務次官として担当したのが規制改革です。何をやったかというと携帯電話本体の買い切り制度をつくったんです(1994年)。それまでショルダーフォンが主流だったのが、小型になって一気に普及が進むきっかけになりました。さらにスマートフォンが登場して、もう10年くらいたつわけですよね。

 そういうふうに驚くべきスピードで世の中は変わります。自動運転をはじめ、これからの変化をどう先読みするか。それが街づくりでもポイントだなと考えています。

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