タクシー市場の縮小が止まらない(図1)。ハイヤーを含む利用者は26年間で半数以下まで落ち込み、この動きは今後も続く見方が強い。さらに追い打ちをかけるのが、世界で躍進する海外配車サービス大手の日本進出だ。劣勢となった日本のタクシー事業者は、三つの策で生き残りを図る。利用料金の低減、アプリの利便性向上、新型のタクシー専用車両の投入だ。対配車サービスの動きを強め、日本市場を守り抜けるか。

図1 縮小するタクシー・ハイヤー市場、利用者数は26年間で半減
1989年に約33億人だった日本のタクシー・ハイヤーの年間利用者数は、2015年には約15億人と半減した。車両台数は微減にとどまり、車両1台あたりの収益性は大きく下がっている。(出典:国土交通省の発表資料を基に日経 xTECHが作成)
[画像のクリックで拡大表示]

 「海外配車サービスの認知度が日本で高まり、その使いやすさが浸透すれば、次は(自家用車を使った)本場の相乗りが日本で解禁されるかもしれない」――。都内タクシー会社の幹部は危機感を募らせる。世界市場で成長を続ける米ウーバーテクノロジーズ(Uber Technologies)や中国・滴滴出行の日本進出は、長年にわたり保守的な戦略を取り続けてきた日本のタクシー事業者にとって、まさに黒船の来襲だ(図2)。

図2 2018年に入ってからの主な日本のタクシー業界の動き
米ウーバーテクノロジーズ(Uber Technologies)や中国・滴滴出行が、それぞれ日本の第一交通産業と提携して日本に進出する。対する日本勢は、日本交通や大和自動車交通が国土交通省の主導する相乗りタクシーで守りを固める。タクシー会社6社らがソニーと組んで、自ら配車のプラットフォーム(PF)をつくる動きも出てきた。
[画像のクリックで拡大表示]

 海外の配車サービス会社が日本で提供を始めるのは、スマートフォン(スマホ)を使って近隣を走るタクシーを呼べるサービスだ。国土交通大臣の許可を得ずに客を有償で送迎するのは「白タク」と呼ぶ違法行為にあたり、日本ではまだ提供ができない。国土交通省自動車局旅客課の担当者は「(白タクの禁止は)安全面や利用者保護の観点から」と理由を話す。ウーバーや滴滴出行の日本進出には、タクシー会社との提携を契機に日本市場での信頼を獲得し、白タク行為の解禁を狙う思惑がありそうだ。

 安全面や利用者保護の課題が解決できれば、利用料金の安さに既存のタクシーを圧倒する可能性がある。例えば米国内でウーバーを利用して配車した場合、料金はタクシーに比べて3割以上安い。車格や相乗りの人数によって料金は変動するが、5割以上安くなることもあるという。

相乗りで利用料金を安く

 対抗する日本のタクシー会社は、安価に利用できる相乗りサービスで巻き返しを図る。国土交通省が旗振り役となり、日本交通と大和自動車交通の2社が参画。期間は2018年1月22日~同3月11日である。東京都の1000台規模のタクシーで相乗りの仕組みを利用できるようにした。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は申し込み初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら