オリンピック・パラリンピック競技大会を2020年に迎える東京では、途絶えぬ大規模開発が注目を集める。そうした機能更新を続けるなかで、後の世代に引き継げる都市環境をつくる必要がある。東京都が最重視するのが、“誰でもアクセス”を可能とするバリアフリー化の推進だ

 五輪招致を機にクローズアップされたのは、「五輪レガシー(オリンピックレガシー)」という言葉だ。競技場、選手村をはじめとする巨費を投じる諸施設を、未来に向けた都市づくりや暮らしづくりのための持続的な資産となるように整備する。

 国際オリンピック委員会(IOC)は、レガシーとは「長期にわたる、特にポジティブな影響」であると表現し、五輪開催都市にはその重視を求めている。近年では2012年のロンドン五輪で、レガシーを尊重する計画が、衰退傾向のイーストロンドンの再生に向けた重要なきっかけになった。

五輪を機に、ポジティブな“遺産”を

 今回の開催都市である東京都は15年12月に、「2020年に向けた東京都の取組―大会後のレガシーを見据えて―」を策定した。競技施設や選手村の開発のほか、世界をリードする文化都市の実現や、東日本大震災の被災地の復興支援などを取り組みに盛り込んでいる(18年2月に、新たな動向を追加した「増刷版」を公表)。

 その方針の下で都は、新規恒久の競技施設に関しては大会が終わってからの「後利用」を重視した整備を進める。17年11月には、有明アリーナなど3施設で整備費を増やす必要があると発表した。これは、環境配慮やバリアフリー対応など都市施設としての持続性を考慮した結果であると説明している。

 臨海部は特に、次代に引き継ぐ「レガシー」という観点で、大きな節目を迎えている。有明には五輪の競技施設群、豊洲には移転問題で揺れた新市場、晴海には五輪の選手村といった大規模開発が進み、かつて「7番目の副都心」として育成対象になったエリアが急成長期に入る。連結する虎ノ門、八重洲などと機能を補い合う重要拠点となる。

有明・豊洲・晴海エリアの大規模開発マップ。日経BP社から発売したムック「東京大改造マップ2018-20XX」より。赤色の部分は五輪関連施設(資料:日経アーキテクチュア、ユニオンマップ)
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「東京大改造マップ2018-20XX」の調査データを基に、江東区内で進行中の大規模開発プロジェクトを規模(延べ面積)の大きい順に並べてみた。2020年までに完成する3位から5位が、五輪関連の整備プロジェクトだった(資料:日経アーキテクチュア)
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有明北3-1地区計画の建設地。全街区を合わせると、都内最大級の開発規模となる(撮影:大山 顕)
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