2017年末に東京ビッグサイトで開かれた「先端材料技術展2017」は、炭素繊維強化樹脂(CFRP)への高い期待値を印象づける展示会となった。家電から自動車製品、建材、航空機、人工衛星まで、炭素繊維を使ったさまざまな展示品が並ぶだけでなく、加工技術やプレス技術などでもCFRPに関連した内容が目立っていたのだ(図1)。先端材料技術展というよりも「CFRP技術展」か、と錯覚するほどだった。

図1 「先端材料技術展2017」の展示の様子
展示されていたCFRPの成形品(出所:日経コンストラクション)
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 CFRPを構成する「炭素繊維」は、鉄に比べて軽さは4分の1程度、引張強度は約10倍と優れた素材特性を持つ。軽量化によって燃費性能が飛躍的に向上することから、車などの輸送車両での利用が進んできたのは、「CFRPでクルマを3割軽く、2割の燃費向上」で説明したとおり。

 さらなる用途拡大に向け、次の有望市場となるのが建設分野だ。より大きな部材を早く、そして安くつくる技術が確立されつつあり、実用化もそう遠い未来ではない。

 現在の地上構造物の主役は、鉄やコンクリートだ。ただ、長年続く「2強体制」も近いうちに3強に変わる可能性がある。展示会の出展者で、CFRPの研究開発を指揮する金沢工業大学革新複合材料研究開発センターの鵜澤潔所長は、次のように強調する。

 「繊維とプラスチックによる複合材料が、鉄やコンクリートに並ぶ第3のマテリアルになるなんて誰も想像していない。けれども、軽くて強いこの材料はそうなってもおかしくない」。

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