省エネ基準への適合性判定が2017年4月に始まった。日建設計ではこれまで約20の案件が対象となった。意匠設計者としては、設備設計者とプロジェクトの早い段階で連携を図りながら、快適性に優れた建築を主張し続けることが求められるという。

児玉 謙|Ken Kodama 1988年京都大学大学院工学研究科建築学専攻修了。日建設計入社。専門は建築意匠設計。ホールやミュージアムといった文化・宗教施設から、教育・研究施設、金融機関をはじめとする企業の本部ビル、メーカーのイノベーションセンター、大規模複合施設まで、設計を手掛けた建築物は幅広い。環境技術に広い知見を持ち、日本建築学会作品選集やJIA優秀建築選に選ばれるなど受賞多数(撮影:大久保 惠造)
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意匠設計の中で省エネにどのように取り組んできたのですか。

 もともとエンジニアリング部門とのコラボレーションに興味があって、1990年ごろからチャンスがあればチャレンジしてみようと、環境建築に取り組んできました。

 グローバル化を背景に環境性能に関する海外の認証取得を目指す建築物も手掛けてきました。例えば2015年11月に完成したダイキン工業のテクノロジー・イノベーションセンター。米国発の環境性能評価指標である「LEED(リード)」の新築部門でプラチナ認証を取得しています。

ダイキン工業のテクノロジー・イノベーションセンター(撮影:清水向山建築写真事務所)
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ダイキン工業のテクノロジー・イノベーションセンター。省エネの取り組みとしては、①高顕熱処理型ヒートポンプマルチエアコンとヒートポンプデシカント式調湿外気処理機による高効率個別分散空調システム ②自然換気や自然採光といった自然エネルギーの積極的利用 ③太陽光発電や地中熱・太陽熱利用といった再生可能エネルギーの利用――などが挙げられる。空調システムにはダイキン工業の空調技術が生かされている(撮影:清水向山建築写真事務所)
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ダイキン工業のテクノロジー・イノベーションセンター。建築コンセプトと環境計画が融合した断面構成。南北断面図(出所:日建設計)
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省エネ基準への適合性を判定する、省エネ適判の制度が17年4月から始まっています。

 その段階にようやくなったかという思いです。省エネに取り組んできた建築設計者にとっては、ごく基本的なことで、確実にクリアすべきものです。確かに、私たちにとって多少の手間が掛かるものですが、建築主にはその必要性をご理解いただいているところです。

それは、省エネ適判の手続き関連の業務への対価もきちんと請求していくということですか。

 そうです。他の特殊業務と同様、ご理解をいただき、設計監理契約に盛り込んでいます。