安定した建設投資に支えられ、建設コンサルタント会社が好業績を続けています。日経コンストラクションで、毎年春先に掲載している建設コンサルタント会社の決算ランキングでは、昨年(2017年)まで5年連続で、対前期比で増収だった会社が半数を超えていました。

 そして今年は、4月23日号に特集「建設コンサルタント決算ランキング」を掲載しました。17年1月から12月の間に迎えた決算期の決算(17年決算)の状況を各社に尋ねたところ、前期に比べて増収だったと回答した会社は75%に達しました。

日経コンストラクション4月23日号特集「建設コンサルタント決算ランキング2018」から
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 東日本大震災の復旧・復興業務が一段落し、踊り場に差し掛かるとも思われた建設コンサルタント市場ですが、再び勢いを増しているようです。その一因は、熊本地震や台風で被害を受けた地域の復旧・復興のほか、防災・減災関連の業務が多く発注されていること。さらに、特に大手建設コンサルタントの中には、プロポーザル方式など価格競争によらない案件の受注を伸ばし、バブル期に遜色ない売上高を確保している会社もありました。

 業績好調のなか、多くの会社が着々と仕事の守備範囲を広げようともくろんでいます。各社が次なる成長分野として注目しているのが、地方創生事業。PPP(官民連携)やPFI(民間資金を活用した社会資本整備)の仕組みを利用するなどして、地域に密着した事業を立ち上げ始めています。指定管理者制度などで施設の運営を経験している会社も多く、これまでの知見が生かせる分野と言えるでしょう。

 地域密着型の事業として、「酒造り」を始めたのがオリエンタルコンサルタンツです。同社は神奈川県開成町にある老舗酒蔵を完全子会社化。社員3人が町に常駐し、18年3月には38年ぶりに自家醸造の再開にこぎ着けました。とはいえ、同社に酒蔵経営のノウハウがあるわけではなく、酒蔵単体が単年度黒字になるまでに6、7年を要するという、“手離れの悪い”事業です。

 それでも、丹沢山水系のおいしい井戸水をブランド化して、地域の活性化を図ることを狙い、取り組みを始めました。オリエンタルコンサルタンツの青木滋事業本部長はこう話します。「自ら資金や人材を投入すれば、事業に責任を持つ覚悟を示せる。地元の会社や行政と一緒になって地域を活性化する会社だという信頼につながる」――。新たな事業の柱にしようとするなら、相応のリスクを負って本気で取り組む必要があるのです。