建設現場で人、お金、安全、工程の全てを管理する現場所長。言わば現場の「社長」ですから、自分の裁量で現場を自由に動かせるのが大きな魅力です。半面、負う責任は重く、人知れず多くの悩みを抱えているものです。

 今、現場所長は何に悩み、どんなノウハウで克服しているのか。それを知ることは、現場運営に大いに役立ちます。日経コンストラクション4月9日号では、特集「名物所長の現場力」を企画しました。10人の“名物所長”が独自のノウハウを披露します。

日経コンストラクション4月9日号特集「名物所長の現場力」から
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 特集記事に先立ち、30人の現場所長を対象にアンケート調査を実施。現場でどんな悩みを持っているのかについて聞きました。

 本誌では1997年、2009年にも同様のアンケートを実施しています。対象者や選択肢がそれぞれ異なるので単純な比較はできませんが、この20年間で、所長の悩みの傾向の変化が読み取れました。それぞれの調査での「所長の悩み・ベスト3」を挙げてみましょう。

[1997年]
1位:書類が多く処理に時間がかかる
2位:必要な工事費の増額が認められない
3位:事故が起こったときの責任が重い

[2009年]
1位:黒字を確保するのが難しい
2位:書類が多く処理に時間がかかる
3位:設計の不備が多い

[2018年]
1位:休暇取得や閉所日の増加を求められる
2位:ICTの活用や時短を求められる
3位:若手の育成が難しい

 かつて多かったお金にまつわる悩みは相対的に小さくなり、「働き方改革」が叫ばれるご時世を反映してか、人繰りや時間管理の悩みが大きくなっていることが分かります(なお、2018年も「必要な書類が多い」は4位に付けているので、書類の多さは相変わらずのようです)。

 特集記事でもこれを意識して、人材育成や働き方改革など人材マネジメントのノウハウを持っている所長を多めに紹介しています。人手不足を逆手に取って若手を鍛錬する場としたり、柔軟な職員配置で休日を確保しつつ工期を短縮したり――。特集記事を読み、“今どき”の現場管理のヒントにしていただければ幸いです。

出典:日経コンストラクション、2018年4月9日号
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。