AI(人工知能)を使って、地震時の建物の揺れを抑える技術の開発が進んでいる。NTTファシリティーズは、AIのほか、建物地震応答シミュレーター、ロボットのリアルタイム制御技術などを融合した次世代の制振技術を実用化した。2月16日、20階建ての超高層ビルを想定した模型を使った振動台実験が公開された。

 日経xTECHでは公開実験の様子を動画に収めた。2つの動画から、制振技術の効果を見比べてほしい。まずはダンパーなしで加振。模型が大きく揺れ、最上部に置いたビリヤードの球が動き回る。振幅を大きくしていくと、振幅12mmで模型の変形の限界値を超えて安全装置が鳴り、加振を終了した。

ダンパーを接続せずに加振(撮影:森山 敦子)

 続いて、模型2層目にダンパーを接続して加振した。各振幅で、ダンパーのみのパッシブ制御と、アクチェーターを作動してAIがダンパーを制御するアクティブ制御を交互に切り替えた。アクティブ制御がスタートすると、建物の揺れが小さくなるのが確認できる。

アクティブ制振技術の実験。振幅は4mmから16mmまで4mmずつ増やした(撮影:森山 敦子)
20階建てビルと実験用模型のイメージ図。模型のサイズは底面1.74m×1.3m高さ2.4m、重量は1.18tonf。実験では模型の下から2層目のアクチュエータ-によってダンパーを制御する。20階建てビルでは4~8層部分にアクティブ制振ダンパーを設置すると想定している(出所:NTTファシリティーズ)

 今回の実験では、20階建ての超高層ビルを想定した高さ2.4m、4層の模型を用いた。模型の固有周期は約2秒で、高さ100m程度のビルと同等だ。制振技術の実験では、ビルの4~8階に該当する模型2層目のアクチュエーターを作動し、ダンパーを制御する。公開実験では、動画で比較した正弦波のほかに、南海トラフ巨大地震を想定した長周期成分を含む地震動の波を入力し、効果を確かめた。

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