台湾エイスーステック・コンピュータ(ASUSTek Computer、以下ASUS)は2018年6月4日、ゲーミングPCのブランドを冠し、ゲームに特化したスマートフォン「ROG Phone」を台湾で発表した。ゲーミングPCの人気を受けてか、スマートフォンメーカーがゲームに特化した端末を投入する動きが加速している。そうした端末のニーズは日本にもあるだろうか。

ゲームに特化したASUSの「ROG Phone」

 ここ最近進化が止まって個性も薄くなり、停滞傾向が強かったスマートフォン。だが2018年は、3つのカメラを搭載しズームや暗所での撮影に強い、中国ファーウェイ・テクノロジー(Huawei Technologies)の「HUAWEI P20 Pro」に代表されるように、個性を持つスマートフォンが世界的に増えたことから再びスマートフォンに注目が集まる機会が増えつつあるようだ。

 そうしたスマートフォンの1つに挙げられるのが、ASUSが2018年6月4日に台湾で発表した新機軸のスマートフォン「ROG Phone」だ。「ROG」はゲームに特化したASUSのブランドで、同社はこれまでにも、ROGブランドのゲーミングPCやゲーム用の周辺機器をいくつか投入してきた。

 そのブランドを冠し、ゲームに特化した設計に仕上げたのがROG Phoneだ。ゲームに注力しているだけあって、性能は非常に高い。ROG Phoneは6インチの有機ELを採用するほか、チップセットにはクアルコムのハイエンド向け最新チップセット「Snapdragon 845」を搭載し、クロックスピードも2.96GHzにアップ。RAMも8GBと、スマートフォンとしてはかなり大容量のものを採用している。

6月4日にASUSが発表した「ROG Phone」。ゲームに特化したスマートフォンで、高い性能を持つだけでなく、ゲームの操作がしやすくなる仕組みや、ゲームを楽しむため本体を拡張できる仕組みなども設けている。写真はASUSのプレスリリースより
(出所:エイスーステック・コンピュータ)
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 ROG Phoneはさらに、ゲームのコントロールを意識し、スマートフォンを縦にしたときの右側面の上下に「AirTriggers」というセンサーを搭載。本体を横にしてゲームをプレイする際、左手と右手の人差し指でここをタッチすることによって、コンシューマーゲーム機のコントローラーでいうところの「L」「R」ボタンに相当する操作を実現できるようになっている。

 もう1つ、ROG Phoneは底面だけでなく、左側面にもUSB Type-C端子を搭載している。ここに別途周辺機器を装着することが可能で、例えば「TwinView Dock」を装着すれば、ディスプレイを1つ増やして「ニンテンドーDS」のような感覚でゲームがプレイできるなど、新しいゲームの楽しみ方ができるようになる。通常のスマートフォンにはないこうした点からも、いかにROG Phoneがゲームに特化したデバイスであるかが伝わってくる。

ゲーミングPCの延長線でゲーミングスマートフォンが増加

 だが実は、ROG Phoneが初のゲーミングスマートフォンという訳ではない。実は昨年末頃から、ゲーミングスマートフォンを提供するスマートフォンメーカーは世界的に増えつつあり、まだ大きな潮流という訳ではないものの、急速かつ着実に数を増やしている様子が見えてくる。

 実際2017年11月には、ゲーミングPC用の周辺機器を開発している米レイザー(Razer)が、ゲーミングスマートフォンとして「Razer Phone」を発表している。こちらは当時の最新チップセットである「Snapdragon 835」に8GBのRAM、さらにディスプレイには5.72インチのIGZO液晶ディスプレイを搭載。IGZO液晶を開発しているシャープの「AQUOS R」シリーズ同様、ディスプレイの書き換え速度が通常の倍となる120Hz駆動を実現し、素早い反応が求められるゲームの操作にも十分応える性能を備えているのが特徴だ。

ゲーミングPC用周辺機器を提供するRazerが、2017年11月に発表した「Razer Phone」。120Hz駆動のIGZO液晶を採用し操作性を向上させるなど、ゲームをプレイしやすい工夫がなされている。写真はRazerのプレスリリースより
(出所:レイザー)
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