「Ingress」「ポケモンGO」など、位置情報と拡張現実(AR)を活用したゲームを提供し、注目を集める米ナイアンティック(Niantic)。Ingressのアニメ化や、「ハリー・ポッター」を題材にした新ゲームの開発を発表するなど新たな取り組みを見せている。

 同社のCEOであるジョン・ハンケ氏は福岡県福岡市で2018年4月7日に実施されたIngressの公式ユーザーイベント、「Mission Day Fukuoka」と「XM Festival Fukuoka」に合わせて来日。グループインタビューの形で取材の機会を得た。同社のARに対する考え方や新しい事業戦略などについて、CEOのジョン・ハンケ氏に話を聞いた。

4月7日、福岡市内で取材に応えるナイアンティックCEOのジョン・ハンケ氏(筆者撮影)
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「ARには人を外に連れ出す力がある」

 ナイアンティックは前身となる米グーグル(Google)の社内ベンチャー「ナイアンティック・ラボ」から数えて誕生から8年が経過しているが、大きな功績と言えるのはARが再び注目されるきっかけを作ったことだろう。特にポケモンGOの成功がARに与えた影響は非常に大きく、米アップルやグーグル、米フェイスブック(Facebook)などのIT大手がARへの取り組みを強化することにもつながっている。

 ハンケ氏は現在、ARへの関心が再び高まっていることについて「うれしく思っている」と話す。ARが再び注目される前は仮想現実(VR)技術に対する注目が高まっていた。ハンケ氏はVRに対して、当時「自分としてはあまり望ましくない技術の進歩の仕方」と考えていたという。その理由としてハンケ氏は、現在主流のヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いたVRは視界を完全に覆ってしまうため、外界や人々とのつながりから遮断してしまうこと、そしてその場所にとどまる必要があるため体を動かせなくなることを挙げる。

 だがARは現実世界とリンクしていることから、人々を外に連れ出す力を持っており、社会やコミュニティにポジティブな影響を与える技術だと評価していたという。同社の取り組みによってARが再び大きな広がりを見せている現状に対し、非常に満足しているようだ。