スマートフォンなどで自分を撮影する「セルフィー」は世界的なムーブメントとなっている。では、日本人のセルフィーにはどのような特徴や傾向があるのだろうか。2018年3月9日にセルフィー関連の機能強化を打ち出したファーウェイの日本法人、ファーウェイ・ジャパンが実施した調査から確認してみよう。

アジア圏で花開いたセルフィー文化

 スマートフォンの登場で大きく広まった文化の1つにセルフィー(Selfie)が挙げられるだろう。セルフィーは日本語では「自分撮り」や「自撮り」と呼ばれる。つまり自分自身を撮影することだ。このセルフィー文化はスマートフォンとSNSの普及とともに世界的なムーブメントとなり、日本でも若い女性を中心にセルフィーが日常的なものとなっている。

 だが日本でセルフィーが本格普及するにはかなりの時間を要した。現在のカメラ付き端末の基礎を築いたのは、日本で発売されたシャープ製の「J-SH04」であり、当時から自分撮り用のミラーが用意されるなど、携帯電話で自分の顔写真を撮影する使い方は想定されていた。だが当時はSNSの概念自体が存在せず、特に日本では個人の顔をネット上に公開することに対してネガティブなイメージがあったこともあり、セルフィー文化は広まらなかった。

 しかしながら海外、特に日本以外のアジア圏では、もともと自己主張が強い文化が根付いており、日本のようにネット上に顔を出すことに対する抵抗感も薄かった。加えてカメラ付きスマートフォンの普及とSNSの普及が重なったこともあり、そうした国々で若い世代を中心としてセルフィー文化が急速に花開いていったものと考えられる。

 そうしたこともあってか、セルフィー関連の事業に積極的に取り組んでいるのはアジア圏の企業が多い。自撮りのためにスマートフォンを先端に装着できる棒、いわゆる「自撮り棒」の流行の発信源はインドネシアと言われている。またAR技術を用いて顔に装飾する「SNOW」は韓国、顔を美しく加工する「BeautyPlus」は中国と、人気のセルフィー関連アプリはアジア製のものが多く見られる。

 スマートフォンに関しても同様で、特にアジア圏で高いシェアを持つ持つ中国メーカーは、セルフィーをいかに綺麗に楽しく撮影できるかに力を入れたスマートフォンを多く開発する傾向にある。実際、日本に新規参入を果たしたOPPOの「R11s」は、セルフィー用のフロントカメラに2000万画素と非常に画素数が多いイメージセンサーを採用。さらにAI技術を活用して被写体の顔の特徴を分析し、男女や年齢などの違いに応じ適切な美肌効果を施す仕組みなどを備えている。

今年日本参入を発表したOPPOの「R11s」は、フロントカメラに2000万画素のイメージセンサーを搭載し、さらにAIを活用するなどセルフィーにとても力を入れた機種となる。写真は1月31日のOPPO Japan 日本市場参入記者発表会より(筆者撮影)
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日本人のセルフィー文化を探るため調査を実施

 そしてSIMフリー市場で人気のファーウェイもセルフィーが盛んな中国のメーカーということもあり、セルフィー関連の機能が充実したスマートフォンを多く提供している。

 例えば、2017年12月に発売された「HUAWEI Mate 10 lite」は、メインカメラだけでなくフロントカメラにもデュアルカメラ機構を採用し、セルフィーでもボケ味のある写真を手軽に撮影できる。またKDDI(au)から発売された「HUAWEI nova 2」も、フロントカメラにメインカメラより画素数が高い2000画素のイメージセンサーを採用するなど、セルフィーに力を入れている様子がうかがえる。

 そのファーウェイが2018年3月9日、いくつかのモデルに関して、ソフトウェアアップデートによりフロントカメラを活用した機能を追加すると発表した。1つは顔認証機能で、フロントカメラに顔をかざすことで画面ロックの解除ができるというもの。こちらはMate 10 liteと「HUAWEI nova lite 2」が対象となっている。

 そしてもう1つは「ARレンズ」機能。こちらはARを用いて顔に装飾などを施す機能で、中国のテンセントが提供している「Pitu」をベースに開発されたものとなるようだ。具体的にはSNOWなどのように、カメラで映し出した顔に動物の耳などの装飾を施す機能のほか、自分の顔だけを抽出し、別の背景と合成する機能などを用意した。

Mate 10 liteに新たに搭載された「ARレンズ」機能。「SNOW」のように顔に耳などを付けるだけでなく、顔だけを抽出し別の写真と合成することで、背景を変える機能なども備わっている。写真は3月7日に実施されたファーウェイ・ジャパンの記者向け説明会より(筆者撮影)
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 ファーウェイの日本法人であるファーウェイ・ジャパンは、日本でセルフィーに強い機種を投入したり、セルフィー関連の機能を充実させたりするのに当たって、日本におけるセルフィーの利用動向を調査した。そのきっかけは、同社の日本人スタッフが中国人スタッフと食事に行った際、日本人スタッフは料理を撮影する一方、中国人スタッフは料理には目もくれずセルフィーに夢中になるなど、撮影スタイルに大きな違いがあることに気づいたためだという。