携帯電話事業参入を表明した楽天が新たに打ち出した「楽天コイン」。ブロックチェーン技術を活用して楽天スーパーポイントを仮想通貨とし、楽天が持つ国内外のサービスでIDやポイントの共通化を図るという構想だ。日本企業が海外展開を進めるうえで参考となる前例になるだろうか。

三木谷氏が打ち出したポイントの仮想通貨化

 2017年末に携帯電話事業に参入することを表明し、注目を集めている楽天。総務省が実施する4G向けの新規周波数帯割り当てに申請したことが明らかにされており、携帯電話事業参入に向けて着々と準備を進めているようだ。

 その楽天の代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏がスペイン・バルセロナで開かれた「Mobile World Congress 2018」の2日目となる2018年2月27日(現地時間)の基調講演に登壇。楽天は地元のプロサッカーチーム「FCバルセロナ」のメインスポンサーも務めていることから、改めて楽天の事業を紹介するとともに、携帯電話事業への参入についても「ゲームチェンジャーになる」として強い意欲を示していた。

2月27日、Mobile World Congress 2018の基調講演で講演した楽天の三木谷氏。携帯電話事業の新規参入によって「ゲームチェンジャーになる」と話した。写真は同イベントより(筆者撮影)
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 だが三木谷氏が講演で語ったのは携帯電話事業だけではなかった。三木谷氏は新たな事業構想として、「楽天コイン」に取り組んでいることを明らかにしたのだ。

 楽天コインは、ブロックチェーン技術を用いることで現在の楽天スーパーポイントを仮想通貨にするというもの。それによって国内外で展開する楽天のサービスのIDとポイントを統合し、ポイントの利用できる範囲を世界各国で楽天が展開するサービス全体に拡大できるという。

 日本では既によく知られているが、楽天はIDとポイントを活用し、自社サービスを継続的に利用してもらう「楽天経済圏」という独自のエコシステムを構築している。これをポイントの仮想通貨化によって海外にも広めていきたいというのが、楽天コイン構想の狙いとみられる。

三木谷氏が新たに打ち出した「楽天コイン」構想。楽天スーパーポイントを仮想通貨とすることで、IDとポイントの世界共通化を図るというものだ。写真は2月27日のMobile World Congress 2018の基調講演より(筆者撮影)
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