営業メールの書き方について話し合う平野所長と直井研究員。営業メールも大事なのは「型」にのっとること。そのうえで、営業ならではの工夫が必要と語る平野所長。営業メールは、適切な内容を、適切なタイミングで送れるかが勝負の別れ目。そのためにも、営業の地図を持たなければシナリオは描けないと所長は言います。

直井研究員(以下、直井):営業メールって、終わりがないんですね。

平野所長(以下、平野):そうだよ。お客さまが「連絡は不要です」と意思表示しない限り、可能性がある限り、フォローは続く。

直井:とはいえ、ただ送ればいいってわけでもないと。

平野:そうだよ。適切なタイミングで適切な内容を送らなければ、単なる迷惑なメールでしかないからね。

直井:お客さまから返事が来なくても「いつかチャンスが来るかもしれないから」と根気強くメールを送り続けても、実は迷惑にしかなっていないとしたら、ショックです。

平野:そうだろうね。私はこれまでに数々の営業担当者に出会い、そのメールを見てきた。一つひとつのメールは悪くないけれど、営業の流れで見ると、つながらない、ずれている、だから成果に結びつかないといった営業メールを送っている人は少なくない。営業のシナリオが描けておらず、打ち手が単発なんだよ。

直井:打ち手が単発というのは、どういうことですか。

平野:例えば「来週イベントをやるので、ぜひご来場ください」といった急な案内。上司や会社から「もっと集客しろ」と言われたから、慌ててメールを送ったのがばればれだ。来週って言われても、都合がつく可能性は低いし、予定が空いていても、こちらを配慮していない人の誘いを受ける気にはなれない。

直井:適切なタイミングではないってことですね。

平野:そう。イベントに誘うという内容は適切かもしれない。「導入企業の成功事例を多数ご紹介します」「デモンストレーションも行いますので、実際にお試しいただけます」など、参加するメリットを具体的に提示していたとしても、タイミングが悪ければ、相手を動かすことはできないんだよ。

直井:内容を知り「参加したかったけれど、急に言われても都合が悪い」となると、せっかくのチャンスを逃しますね。もっと早く連絡していれば、参加してもらえて、商談につながったかもしれないのに。

平野:そういうケースはとても多い。非常にもったいない。タイミングと内容はセットで考えよう。そのためには「いつ、誰に、何をするのか」という営業のシナリオを描けていなければならないんだ。

直井:「間が空いたから、そろそろフォローしたほうがいいかな」と、急に思い立ってメールを送ったのではだめなんですね。

平野:その通り。場当たり的な対応では、結果が安定しない。

直井:営業に波があるよりも、安定して結果を出すことが求められますね。

平野:もちろん、思いつきでメールを送っても返事が来ることはあるだろう。でも、それだと漏れが出るよ。計画を立てず、その場の成り行きに任せると、フォローしたり、しなかったりして、結果的にフォローが後回しになり、接触回数は減る。

直井:忙しいと、フォローしたほうがいいのは分かっているけれど、時間が取れずってこともありそうです。

平野:後回しにすることが、営業の確率を低くしてチャンスを遠のかせ、かえって自分にとって不利益になることを知ったほうがいいね。まあ、分かってはいるけれど、言い訳をして、自分を甘やかしているのかもしれない。でも、それでは営業効率は良くならない。営業の好機を逃す、遅れをとる。そうならないようにするには、営業のシナリオを描き、それに沿って行動するのが一番効果的で、しかも楽なんだ。