いよいよ今回から、「リノベーションまちづくり」という分野について書いていく。このテーマは、これからの日本社会に必要な新しいプラットフォーム、いわば都市のOSの話だ。

 昨年から続けてきた本連載では、これまでオープンデータが重要な理由を解説してきた。その主要な1つが、データに基づいた政策の意思決定、いわゆるEBPM(Evidence Based Policy Making)の推進である。ただし、民意を動かすには感情面にも配慮した対話が不可欠で、そのための有効な手段がフューチャーセンターであることは、前回までに紹介した通りだ。

 前回までの話題が政治の進め方、「How」の話だったとしたら、今回から解説するリノベーションまちづくりは、これからの地方自治体が注力すべき内容、すなわち「What」の話といえる。なぜ、この聞きなれないキーワードが重要なのか。読者のみなさんに納得してもらうためにも、私自身の背景とこの政策テーマと出会うまでの経緯を、まず今回お話したい。

 これまで掲載してきた記事のラインナップを見ていただくと分かると思うが、横浜市議会議員だった当時に私が手掛けてきた政策は分野が偏っている。地方議員としては珍しいパターンだ。

 私自身、選挙受けしない政策テーマを選択してきたと思うが、それには理由がある。正確にいえば、選挙受けしないテーマを選んできたというより、これからの時代に必要だと思うテーマを選んできたら、結果的に選挙受けしないものばかりだったのだ。後述するが、それらはいずれも人口減少・高齢化社会における新しいプラットフォームに関わっている。これから訪れる新しい社会では確実に必要だが、必ずしもすぐに大きな恩恵があるとは限らないため、市民には縁遠く感じられるのである。

2013年夏に北九州で開催された「リノベーションスクール」に参加した際のスナップ写真。当時出会った「リノベーションまちづくり」の考え方によって、筆者の議員生活の後半は劇的に変わることになった。
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